プレスリリース

日本・アルゼンチン友好の魚「ペヘレイ」 祖国へ里帰り

アルゼンチン「ペヘレイ増養殖研究開発計画」まもなく終了

2005年08月04日

国際協力機構(JICA)が南米・アルゼンチンで2002年から実施している技術協力プロジェクト「ペヘレイ増養殖研究開発計画」が来月終了する。「ペヘレイ」はスペイン語で魚の王様という意味を持つ淡水魚で、アルゼンチンでは食用として古くから国民に親しまれてきたが、環境悪化や乱獲が原因で近年に激減。JICAはペヘレイ資源の回復を目的とし、親魚育成、種苗生産、人工餌料開発などの増養殖技術の移転を行ってきた。

プロジェクトはまず、神奈川県水産総合研究所(現・神奈川県水産技術センター)のペヘレイ発眼卵約3万粒をアルゼンチンに届けることから始まった。実は同研究所のペヘレイは、アルゼンチンの日本人移民団体から1966年に「日亜親善の証」として移殖されたものであり、つまり、アルゼンチンから日本に渡ったペヘレイの子孫の祖国への「里帰り」が、プロジェクトのスタートだった。

専門家派遣、機材供与などを通じて増養殖技術の協力を行った結果、自然産卵により200万粒以上の良質卵が得られ、さらに体重1グラムの種苗(稚魚)を約10万尾生産するなどの成果を上げた。日本で約40年にわたって培われてきたペヘレイの増養殖技術がアルゼンチンに移転され、「里帰りプロジェクト」はまもなく成功裏に終わる。

同プロジェクトは、JICA神奈川国際水産研修センター(現・JICA横浜)が神奈川県と東京水産大学(現・東京海洋大学)と連携しながら立ち上げた案件であり、地域のリソースを生かすとともに、日亜友好を願う日系人の意志を引き継いでいる。

ペヘレイ関係事業はまた、皇室との関係も深い。1966年のペヘレイ日本移殖は、海外移住功労者として昭和天皇に謁見した高市茂氏が、日亜友好の願いを込め「ペヘレイ日本移植有志期成会」を結成して行った。その後も1967年と1997年に天皇皇后両陛下(67年当時は皇太子同妃両殿下)がアルゼンチン訪問の際、ペヘレイについて日系社会の代表者と話されている。