プレスリリース

パレスチナ 初の技術協力プロジェクトへ専門家を派遣

母子保健・リプロダクティブヘルス

2005年09月09日

国際協力機構(JICA)がパレスチナで初の技術協力プロジェクトとして開始した「母子保健に焦点を当てたリプロダクティブヘルス向上プロジェクト」で、9月11日から日本人専門家が現地入りする。派遣されるのは、萩原明子さん(チーフアドバイザー)、喜多悦子さん(母子保健管理)、藤原善子さん(母子健康手帳)の3人。同プロジェクトは母子保健サービスの向上を目標とし、ヨルダン川西岸ジェリコ地域を中心に、母子保健行政官や医療従事者への研修、母子健康手帳の作成・普及、住民への啓発活動などを行う。協力期間は3年間で、萩原さんら専門家は数週間から数ヶ月単位でパレスチナと日本を往復する予定(治安が完全には安定していないため)。

萩原さん=JICA特別嘱託=はチーフアドバイザーとして、プロジェクト全体の調整・総括にあたる。萩原さんは2003年まで2年間、JICAがヨルダンで行った「人口・家族計画・WIDプロジェクト」で、参加型啓発活動を担当。村の地域住民を対象にワークショップや家庭訪問を行い、家族計画や女性の健康と地位向上などについて啓発を行った。「パレスチナでもヨルダンの経験を生かし、住民の側に視点を置いた活動をしていきたい。母子保健を上からの行政レベルで強化するだけではなく、下からも住民への啓発を通してサービスの利用や住民自身が健康づくりに参加する『エンパワメント』を広めていくことが重要。女性と子供の健康への協力を通じてパレスチナの人々が復興に向け歩みはじめる勇気と希望を与えたい」。

喜多教授=日本赤十字九州国際看護大学学長=は、紛争地での保健医療の第一人者。これまで、アフガニスタン、カンボジア、コソボなど多くの国での支援に従事してきた。パレスチナでも母子保健行政の改革を支援する。

藤原さん=(株)タック・インターナショナル=は母子手帳の作成・普及を担当する。過去10年に渡ってアジアやアフリカでJICAの母子保健プロジェクトに携わり、インドネシアでは日本をモデルにしたインドネシア版母子手帳の開発に尽力した。

パレスチナでは今年1月のアッバース新体制発足以降、治安の安定やイスラエルのガザ撤退(8月)など、中東和平への期待が急速に高まっている。これまで治安上の問題から、現地に専門家を派遣する技術協力プロジェクトを実施できなかったJICAも今月から西岸のジェリコ地域を中心に支援を本格化。母子保健のほか、地域開発、地方行政改善、廃棄物処理の分野での支援を同時に開始した。地方行政改善では既に専門家1人が現地入りしている。