プレスリリース

スマトラ沖大地震・津波:JICA地域別研修「災害後のメンタルヘルスサービス研修」

インドネシア、スリランカなど10カ国の実務者を対象に

2005年11月24日

国際協力機構(JICA)は、スマトラ沖大地震・津波被災国の保健医療実務者を日本に招き、災害後のメンタルヘルスサービスの向上に向けた研修を11月28日(月)から12月10日(土)まで実施する。阪神・淡路大震災をはじめ、日本が蓄積してきた自然災害における心的外傷(トラウマ)についての経験・知見を共有するとともに、災害後のメンタルヘルスサービスを提供するうえで必要な精神医学や心理学的知識を習得してもらう。

対象国はインドネシア、マレーシア、タイ、ミャンマー、バングラデシュ、インド、スリランカ、タンザニア、ケニア、セイシェルの10カ国で、医師・精神科医、臨床心理士、メンタルヘルスに関わる行政官・看護師・保健師、計19人が参加する。

研修内容は、心的トラウマの知識、災害時のメンタルヘルスサービス、被災者への介入方法と治療の実態、災害救援者の受ける影響とそのケアの仕方など。講義のほか、各国のメンタルヘルスサービスの現状や各国の実情にあったメンタルヘルスサービスを企画するために研修員同士でディスカッションも行う。

この研修は、「兵庫県こころのケアセンター」の協力のもと、JICA兵庫が実施する。同センターは、災害や事件、事故などでトラウマやPTSDなど「こころのケア」に対応するための研究・研修、相談・診療などを行う全国初の拠点として平成16年4月にオープンした施設で、今回の研修では同センターの加藤寛研究部長ら職員が講師を務めるほか、国外講師として、PTSD研究のパイオニアで、オーストラリアの山火事、中国雲南地震などの自然災害でメンタルヘルスケアサービスを指揮してきたアレクサンダー・C・マクファーレン教授(豪・アデレード大)、災害による子どものトラウマの研究の第一人者で、米連邦ビル爆破事件、アルメニア地震などで活動してきたロバート・パイヌス教授(米・UCLA)を招く。

災害後のメンタルヘルスサービス研修の主なスケジュール

11/29 講義:災害のもたらす心理的影響、心的トラウマの精神病理、PTSDと関連する精神疾患、他
11/30 講義・見学:阪神・淡路大震災の概要とメンタルヘルスサービス活動の実際、阪神・淡路大震災に対する行政の対応。北淡町震災記念公園(淡路市)見学
12/1 講義・見学:人と防災未来センター(神戸市)の見学。NPO・学校との連携、保健所の活動
12/2 講義:日本や海外の災害時のメンタルヘルスサービス
12/5 講義・演習:臨床診断、スクリーニング方法(マクファーレン教授)、災害後の研究のあり方(パイヌス教授)、両教授、加藤寛こころのケアセンター研究部長らのアドバイスを得ながら、研修員が被災国の現状についてディスカッション
12/6 講義・演習:子どもと災害、子どもたちへの介入方法(パイヌス教授)、前日に続き被災国の現状についてディスカッション
12/7 講義:PTSDの治療法と介入技法、認知行動療法他
12/8 講義:惨事ストレス、二次的外傷性ストレスマネージメント、阪神/淡路大震災における教育現場での活動(西宮市立広田小学校教諭)
12/9 講義:災害以外のトラウマ(犯罪被害、女性、児童虐待)
12/10 演習:各国の実情にあったメンタルヘルスサービス企画のためのディスカッション