プレスリリース

マラウイで青年海外協力隊員が歌うエイズ予防啓発ソングが大人気

HIV/エイズ予防啓発を現地語の歌でキャンペーン !

2006年02月07日

国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員で、マラウイで活動中の山田耕平隊員(村落開発普及員)が、危機的な状況となっているHIV/エイズの予防啓発のためにつくったキャンペーンソングが現地で話題になっています。売り出していないにもかかわらず、マラウイのヒットチャートで1位になるなど、HIV/エイズをテーマとした曲としては異例の広がり。このほど現地のレコード大賞にもノミネートされました。

曲は、若いカップルを襲ったHIV感染のケースを通じて、若者のVCT(自発的カウンセリングとテスト*)への認識を変えることをねらった「NDIMAKUKHONDA(ディマクコンダ:愛してる)」、マラウイの深刻なHIV/エイズ感染状況を戦争にたとえた「TIMENYENKHONDO」の2曲で、2曲とも山田隊員が作詞をし、友人の人気歌手ムラカ・マリロさんが現地のチェワ語に訳して作曲しました。歌は、同隊員が現地語で歌っています。また、同国に派遣されている石田純子隊員(コンピュータ技術)、新田秀幸隊員(AV機器)の2人両隊員が協力し、ビデオ、ポスター、CDジャケットも作成しました。

マラウイにおけるHIV/エイズ感染率は14.4%。約90万人が感染しており、年間約8万7,000人がエイズで亡くなっています。毎年HIV新規感染者の約半数は、15歳から24歳の若者が占めます。山田隊員は、高校生など若い世代の友人とHIV/エイズについて語り合った際に、彼らのHIV/エイズ予防の意識の低さに驚き、この国で最も一般的な娯楽であるラジオから流れる歌で意識を変える方法を考えました。

昨年7月に完成した作品を同国唯一のテレビ局、全FMラジオ局に送ったところ、大きな反響があり、テレビではミュージックビデオ、ラジオからは曲が繰り返し流されるようになりました。山田隊員は、「私の歌、ミュージックビデオが人々の意識や行動を変えることにつながり、一人でも多くの人たち、特にマラウイの将来を担う若者のHIV/エイズの感染を止める起爆剤になったら」と期待を寄せています。

なお、これらの曲の著作権は山田隊員にあり、印税はマラウイでHIV/エイズ予防啓発に力を入れているNGOに寄付されることになっています。日本を含め世界のテレビやラジオで流れた際には、その使用料が各国の著作権管理団体を通じてマラウイの著作権管理団体に送金され、NGOに支払われる仕組み。同隊員は、「この曲はHIV/エイズ予防のために、ボランティアによって作られたもの。多くの人たちに無料で視聴してもらう機会もつくっていきたい」と話しています。

*VCT 
Voluntary Counselling and Testing(自発的カウンセリングとHIV検査)の略。個人がHIV/エイズについてカウンセリングを受け、HIV検査を受けるかどうか十分な情報を与えられた上で選択するサービスをいい、その過程は秘密にされる。HIVの早期発見・早期治療につなげることでエイズによる死亡者を減少させること、またHIV/エイズの啓発の場となる重要なサービスと位置づけられているが、実際は、差別を恐れてサービスを受けようとしない人がまだ多い。