プレスリリース

パレスチナ支援 初の長期専門家を派遣

リプロダクティブヘルス向上、地方行政制度改善の2プロジェクト

2007年01月12日

国際協力機構(JICA)は1月、パレスチナ支援のために初めて長期専門家2名(赴任期間各約1年半)を派遣する。技術協力プロジェクト「母子保健に焦点を当てたリプロダクティブヘルス向上」に山崎健二(やまざきけんじ)さん=東京都出身=を1月10日(水)に派遣、「地方行政制度の改善」に黒田一敬(くろだかずよし)さん=同=を1月18日(木)に派遣する予定だ。

JICAはパレスチナで、2005年8月から「母子保健に焦点を当てたリプロダクティブヘルス向上」を、同年9月から「地方行政制度の改善」を開始し、短期専門家の派遣、日本やヨルダンなど第三国での研修などを行ってきたが、プロジェクトが軌道に乗り業務量が拡大してきたため、業務調整を担当する長期派遣専門家を派遣することになり、公募していた。

山崎さんは、エジプトでJICAのカイロ大学小児病院プロジェクトの専門家として活動するなどアラブ諸国、保健医療分野での業務経験が豊富。派遣にあたっては、「プロジェクトが開始して半年ほどで政情が悪化し活動が制限された時期を乗り越え、今プロジェクトは正念場にあると身が引き締まる思いで現地に向かいます。幸い現地のカウンターパートたちは、給料の未払いにもかかわらず、治安の悪いなかフィールドで活動しています。検問所があり、移動範囲は限られていますが、人々の啓発活動への手応えは大きいと聞いていますので、現地で仕事をするのを楽しみにしています」と抱負を語っている。

一方の黒田さんは、1992年のカンボジアを振り出しに南アフリカ、モザンビーク、旧ユーゴスラビア、東ティモールなど紛争や政治的混乱のあった国に国連やJICAから派遣され、選挙支援、人道支援に従事してきた。03年4月から06年12月まではインドネシアでJICA専門家として、総選挙委員会のアドバイザー、地方分権の企画調査員を務めた。初のパレスチナ赴任にあたって、「いつかこの地に役立ちたいと思ってきました。世界で最も困難な場所で進められてきたプロジェクトに生き生きとした魂を吹き込んでいくことが私の使命だと考えています。そして、これまでにさまざまな場所で出会った人たちのパレスチナを思う気持ちを届けたい」とその思いを語っている。

【JICAのパレスチナ支援】
治安の問題から日本や第三国での研修を中心に行ってきたが、05年、イスラエルのガザ撤退などで和平への期待が高まりつつある状況を受け、ジェリコ市とその周辺に広がるヨルダン渓谷への本格支援を決定。同年秋、ジェリコとラマッラにフィールドオフィスを開設するとともに、パレスチナの国づくりの基盤となる経済的自立と自治政府能力強化を実現するため、経済を支える農業と観光業に重点を置いた中長期的な開発計画を策定する開発調査「ジェリコ地域開発計画」と、自治政府の能力強化を図る技術協力プロジェクト「母子保健に焦点を当てたリプロダクティブヘルス向上」「地方行政制度改善」「ジェリコ及びヨルダン渓谷における廃棄物管理能力向上」を開始した。