プレスリリース

フィリピン・ミンダナオ和平の促進・地域安定に向けて

ダバオにフィールドオフィス設置など支援進む

2007年05月09日

独立行政法人 国際協力機構(JICA)は、フィリピンの中間選挙(上院議員の半数、下院議員と地方の首長・議員などを改選)が終わる5月半ば以降、緊急開発調査「ミンダナオ紛争影響地域復興支援計画調査」などを本格化させる。4月中旬にはミンダナオ・ダバオ市にフィールドオフィスを開設するなど、ミンダナオ和平の促進・地域の安定に向け、支援体制強化も進めている。

モロ・イスラム解放戦線(MILF)の影響下にある地域を対象にした「ミンダナオ紛争影響地域復興支援計画調査」は、2月下旬の調査団の結果を受け、中間選挙終了後に調査を本格化させる。2年間の予定で主にバランガイ(フィリピンの最小行政単位)での社会・経済基礎調査、ニーズ調査を行い、これに基づいて緊急度合いが高く地域の人々への即効的な効果が見込める事業を行う(クイックインパクト事業)。主に教育、保健医療、水供給、生計向上などの分野でのクイックインパクト事業を実施しながら、総合的な地域開発戦略の策定に向けて調査を本格化させていく計画だ。ダバオ市に開設したフィールドオフィスには日本人スタッフ1名と現地スタッフ5名を配置しており、今後のJICA事業の調整や安全管理などを担っていく。

一方、以前から協力を行ってきたミンダナオ・イスラム自治政府(ARMM)に対しては、医療や農業など行政サービスを担う自治政府としての能力向上を目的とした支援を続けている。今年3月に同じイスラム圏であるマレーシアの産業育成政策を参考にするために、政府幹部5名をマレーシアに派遣し、ハラル食品(イスラム律法に従って加工処理された食品)加工産業の現況を理解してもらう研修を行なったほか、今後は技術協力プロジェクト「ARMM政府能力向上フェーズ2」、開発調査「地場産業振興計画策定調査」、同「インフラ開発計画策定調査」を予定しており、5月下旬以降、事前評価調査団を派遣していく。

また両地域を対象に、NGOを通じたコミュニティ開発や、稲作、畜産分野について協力の実施体制を含めた現地調査を行っており、この結果を今後の協力内容に反映させていく予定だ。

40年近く続いてきた紛争によってフィリピン国内でも開発が大きく遅れているミンダナオ地域。JICAは和平合意前から将来の復興開発計画の策定に着手し、和平プロセスの促進に貢献していく方針だ。