プレスリリース

ニジェール:すべての小学校を「みんなの学校」へ

JICA支援の学校運営改善モデルを世界銀行資金で全国9000校に展開

2007年05月11日

独立行政法人 国際協力機構(JICA)とニジェール教育省はこのほど、JICAが技術協力プロジェクト「住民参加型学校運営改善計画(通称:みんなの学校プロジェクト)」※で支援してきた住民参加による学校運営改善モデルを、ニジェールのすべての小学校(約9000校)に導入するための支援を行うことで合意した。モデル導入にあたって学校運営委員会の設置費用約8900万円をニジェール政府が負担し、そのほとんどを世界銀行が支援することになった。

ニジェールの初等教育の就学率は54%と世界最低の水準にあり(2006年時点)、ニジェール政府は2013年までに91%に引き上げる政策を進めている。低い就学率の背景には、学校の絶対的不足とともに学校に対する地域住民・親の理解不足があり、学校数の不足に対しては、世界銀行、日本をはじめとする各国の支援によって教室の建設、増改築が進められている。一方、学校に対する住民・親の理解不足に対しては、住民参加による学校運営委員会を設置し、学校に対する理解促進を図っていたが、多くの委員会は十分に機能していなかった。そのため、JICAは2004年1月から2007年7月まで「みんなの学校プロジェクト」を実施し、学校運営委員会を機能させる道筋を提示し、教育省の活動をサポートしてきた。その結果、住民の力のみで教室が建設されたり、不足教材を購入したりとさまざまな活動が運営委員会を中心に実施され、就学機会の拡大のみならず教育の質も改善されるようになった。

教育省はこれらを受けて、モデルの全国展開を決定。プロジェクトが対象としてきた2州(約2800校)以外の6州(約6200校)の小学校の校長に対する民主的な選挙による学校運営委員会の設置方法の研修や、運営委員会メンバーを対象とした住民参加型の学校改善活動の計画や実施方法についての研修を行い、より住民が参加しやすくなる学校運営を普及させていく方針だ。

JICAは、教育省からの要請に基づいて、7月に終わるプロジェクトの後継案件として「みんなの学校プロジェクト・フェーズ2」を行い、研修や学校のモニタリングについて技術面の支援を行っていく。研修は世界銀行が教育省に対する財政支援でこの夏にも開始されることになっており、先頃教育省とJICAが交わしたフェーズ2の枠組みについての合意文書には、世界銀行も連署人として署名した。今回の連携は、JICA同様にニジェールで初等教育支援を行ってきた世界銀行と継続して情報共有するなど現場の地道な努力によって実現した。「みんなの学校プロジェクト・フェーズ2」は、今年8月からの開始を目指しており、JICAは教育省とさらに準備を進めていく。