プレスリリース

起草に協力したカンボジア民訴法が適用へ

7月17日 プノンペンで適用開始

2007年07月12日

JICAが1999年からカンボジアで起草に協力してきた民事訴訟法が、7月17日にプノンペンで、27日にその他地域で適用開始になる。同じく起草を支援してきた民法は、今秋の国会での審議後、公布される見通しだ。

カンボジアでは1991年の内戦終結以来、「法の支配」確立のための法制度および司法改革を国家の最重要課題と位置づけてきたが、基本法などの法体系が整備されておらず、また、内戦の影響で政府職員や司法関係者の層、技術レベルともに低い状況にあり、自力で法令・制度の整備を行える状況になかった。JICAは同国政府の要請を受け、民法・民訴法の起草支援などを内容とする「法整備支援プロジェクト」を99年から開始。日本の研究者・実務家とカンボジア司法省合同チームによる両法案の起草作業を中心に協力を行った。2003年4月以降は、民法・民訴法の最終草案を基に、両法案の立法化支援と両法案の付属法令整備などを行っている。また2005年からは、司法官職養成校における裁判官・検察官の育成支援のプロジェクトとも連携している。民訴法は2006年7月に公布・施行されたが、裁判所等への普及のため適用まで1年の準備期間が設けられ、その間、現職裁判官等に対する新民事訴訟法セミナーの開催を支援するなど、普及に対する支援を積極的に行った。

起草作業において中心的な役割を果たしたカンボジア法整備支援民事訴訟部会長の竹下守夫・駿河台大学学長は「いわゆる『六法』に属する基本法典を日本とカンボジアの共同作業によって文字通り一から起草し完成させたものであり、これはわが国の法整備支援のなかでも初めて。その法典がいよいよカンボジアの民事裁判に適用され、国民の権利保護に資することになったのは極めて意義深く、わが国の法整備支援の歴史に新しい頁を加えるものといって決して過言ではない」と総括。

1998年から長期専門家として携わっている坂野一生さんも「民訴法の適用によって、カンボジアの裁判所における民事訴訟手続が、より迅速で透明性のあるものになり、ひいては裁判所の信頼向上につながることを期待している。しかし、裁判官たちが新しい手続を使いこなすためには、まだ多くの課題が残されている。今後はより適切な訴訟の運営がなされるための努力を司法省とともに行っていきたい」とさらなる協力への抱負を述べた。

JICAはカンボジアのほかにも、ベトナムをはじめアジア諸国で法整備支援を行っている。