プレスリリース

ASEAN40周年 地域格差の是正に向けて

−JICAの域内支援の取り組み−

2007年08月08日

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6月6日から8日までシンガポール開かれた第6回JICAアセアン地域協力会議

ASEAN(東南アジア諸国連合)が1967年8月8日に発足して40周年。2015年には計画を5年早め、共同体構築をめざすことになった。JICAは、ASEAN加盟国の格差の是正と地域統合に向け、シンガポールおよびタイと日本政府が締結したパートナーシッププログラム(注1)による協力をはじめ域内の南南協力(開発途上国が相互の連携を深めながら、技術協力や経済協力を行いつつ、自立発展に向けて行う相互の協力)を積極的に支援している。

●JICA−ASEAN地域協力会議(JARCOM)
JICAは2002年より「JICA−ASEAN地域協力会議(JARCOM)」を開催してきた。新加盟国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム:CLMV)に対して、原加盟国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)が研修を実施したり、専門家を派遣したりする際のニーズとリソースを合致させ、より効果的な協力を行うための取り組みで、域内の共通課題に関する案件形成とネットワークづくりを行っている。

JARCOMの目的は、ASEAN事務局による「IAI(ASEAN統合イニシアティブ)」と同様の方向性を持つ。IAIとは2002年のASEAN非公式サミットでシンガポールが提唱したもので、域内格差是正のためにCLMVの人材育成支援を行うというもの。このためJICAは早くからIAIを通じたASEAN事務局との連携を模索しており、2004年からJARCOMの枠組みで形成されたJICA案件のうち、IAIの要件にも合致した案件をIAIワークプランプロジェクトとして登録を進めてきた。

ASEAN地域統合が2020年から2015年に前倒しとなったため、IAIとの連携はますます重要になっている。IAI元議長(現、ラオス外務省ASEAN局長)のサヤカン・シソヴォン氏は、「JICAをはじめとする日本政府はASEAN共同体の形成・発展に対して建設的で非常に意義深い支援を展開している。私見だが、ASEANは域内格差の解消に向けた取り組みが進まなければ、統合というゴールに到達できないのではないかと感じる。そのような中でJICAはこの分野の支援のフロントランナーであり、JICAの支援には大変感謝している」と述べている。

●税関分野への取組み
ASEAN地域では、地域共通の課題の一つとしてグローバル化する貿易や物流を円滑にするための通関手続きの迅速化が求められる一方で、違法取引の摘発やテロ対策など税関による国境での監視・取締を適切に行うことが求められている。

2005年のJARCOMにおいて、関係国から税関分野への取組みの重要性が提起されたことを受け、2006年7月、JICAが中心となって、タイ、マレーシア、フィリピン、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの7カ国の税関職員をバンコクに招いて「貿易円滑化ワークショップ」を開催した。ワークショップには日本の財務省関税局からタイ税関に派遣されていた専門家も参加し、日本の貿易円滑化に向けた税関の取り組みを紹介した。このワークショップにより、貿易円滑化がASEAN諸国共通の課題であることが改めて認識され、参加した各国税関は改革近代化への取り組みを加速させつつある。

JICAは今秋にはタイ、カンボジア、ベトナムを対象に、国際基準に合致した税関手続きの調和・簡素化を実現し、税関行政を効果的・効率的に実施する能力の向上を目的としたプロジェクトを開始する予定だ。

(注1)
日本と新興援助国との間で、他の開発途上国・地域の経済的・社会開発を共同で支援するための総合的枠組み。1994年にシンガポール、タイと締結。