プレスリリース

カンボジアが新しい民法を公布

JICAと現地のワーキンググループが共同起草

2007年12月28日

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カンボジア司法省

12月8日、JICAが1999年から起草に協力してきたカンボジア民法が公布された。新しい民法典は、今後、官報への掲載を通して広く国内に周知されることになる。

カンボジア民法の公布は、同国の民事訴訟法(2007年7月、適用開始)に続く、JICAの法整備支援とカンボジア側ワーキンググループの協力の最新の成果といえる。他の援助国が支援する他法令との整合性を取るための調整や検討・審議に時間を要したが、ようやく公布に至った。

ポルポト政権以降、カンボジアには社会生活上の法律関係を一般的に定めている民法と呼べる基本法がなく、婚姻家族法と、契約およびその他の責任に関する法令、2001年の土地法の実体規定があるのみであった。このため、市民にとっては「民法」そのものが新しい概念であるが、カンボジア側は「日本側関係者は、カンボジアの現状を精査した上で、社会に合致した法案をともに作成してくれた」と評価。数年間にわたる日本との共同作業を通して、カンボジア人法律家の法整備に関する知見も深まり、今後の法の施行・適用にあたってさらに力を発揮することが期待されている。

民法起草作業において中心的な役割を果たしたカンボジア法整備支援民法部会長の森嶌昭夫・NPO法人日本気候政策センター理事長は、「市民生活の基本となるこの法律がカンボジアの人々にとって真に役立つことを心から願っている」とその制定・公布を祝福。

現地で長く起草に携わってきたプロジェクトの専門家は、「10年かけて起草した民法が公布されることになり、まずはホッとしている。カンボジアにとっては1975年のポルポト政権以降初めての民法典ということになるが、新しい概念や複雑な規定も多く、また高度な解釈を要求されるケースも出てくるでしょう」と指摘、今後の法曹実務家への普及や大学等での法学教育の充実の重要性を挙げている。

新しい民法を構成する条文は1305条(民訴法は588条)。いわゆる『六法』に属し、市民生活に最も密着した基本法典が新たに公布された意義は大きい。