現在の場所は

(3)BOP層の支払能力がない

企業が提供する製品・サービスに対して、BOP層の支払能力がないことが多くの企業が直面することが想定されるリスクです。所得が低いために、支払を行う現金自体がないことや、支払いの手段がないこと等がその主な理由となっています。

対応策

対応策(1):金融サービスへのアクセス提供

事業化に至った企業の例では、マイクロファイナンス機関等と提携することにより、BOP層に対して金融サービスへのアクセスを提供することで、BOP層による支払能力の向上を図っています。

参考事例

エネルギーセクター(アジア):

BOP層の家庭用燃料供給のための技術製品を提供するC社では、同社が解決を目指す課題と一致するミッションを掲げて農村開発を行う現地NGOと共同で、BOP層が支払可能となるローンスキームの立て付けを行いBOP層の支払能力がないという課題解決に取り組んでいます。

NGOがBOP層に対してローンを提供し製品導入を行った後は、もともとBOP層が購入していた燃料の費用が削減できるため、その削減分だけでも初期費用が返済可能となる仕組みを構築しています。このような工夫により、製品購入から利用、ローン返済まで、BOP層の負担が少なく完結するモデルとなっています。

対応策(2):支払能力に合わせた製品・サービス提供方法の工夫

BOP層の生活実態に合わせて、購買単位を小さくすることで価格を抑えるだけではなく、分割払いやレンタルなどの仕組みを取り入れることで、BOP層の支払可能性を高める工夫が行われています。

参考事例

医療セクター(アジア):

障害を持つBOP層向けに医療機器を提供するD社は、従来はBOP層には購入が難しい価格でしか提供されてこなかった医療機器の低価格化を可能とすることで、購入者の社会復帰を支援しています。価格設定の際は、購買対象とするBOP層に対するヒアリング調査を実施し、受容可能な価格を特定しました。低価格となっても製品の購入が難しいBOP層向けには、レンタルでのサービス提供を行うなど、BOP層の支払能力に合わせた価格設定や提供方法の工夫が行われています。

対応策(3):BOP層の支払を可能とする金融インフラの整備

金融サービスへアクセスできないBOP層に対して電子マネーでの支払を推進する等、金融機関とは異なる金融インフラを整備することで、BOP層が支払可能となる方法の工夫を行っています。

参考事例

ITセクター(アフリカ):

【画像】

バイオ燃料事業を展開する日本植物燃料株式会社(NBF)と、国内外で電子マネーソリューション事業を手がける日本電気株式会社(NEC)は、モザンビークにおいて、電力や通信インフラが脆弱な地域でも使用可能な、電子マネー技術をベースとした金融インフラを構築し、現地BOP層やコミュニティへの普及を目指しています。

安全な現金の管理が難しい農村部において、現金に代わる電子的な預金や送金、支払いを可能とする金融サービスを提供することで、BOP層の貯蓄を啓蒙し、支払能力の向上を図っています。同時に、農村部で活動する事業者にとっても、現金の盗難や紛失リスクの少ない決済手段によって現地事業のリスク管理コスト等を低減できるメリットを提供することを目指しています。

現在NBFは農産物の買取や、食料品・日用品を販売している農村部の店舗に対し、金融インフラサービスを提供しています。当初は買取・販売時の現金の取り扱いを電子化することが目的でしたが、住民から貯蓄に使いたいという要望があり、サービス拡大を目指しています。

※写真は店舗に設置された金融インフラシステムを使う女性の様子です。

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