現在の場所は

(4)製品・サービス価値の理解浸透が困難(ニーズが現地に現存しない製品・サービスを提供する場合)

現地BOP層にとって対象の製品やサービスのコンセプトが新しく、馴染みがないものである場合、BOP層に対する啓蒙活動を行うなど、製品・サービス価値の普及や市場の開拓が必要となります。

対応策

対応策(1):政府や支援機関との協業

企業が取り組む開発課題と共通の目的を持つ政府機関や支援機関の活動と連携することで、BOP層に対する啓蒙活動や普及活動を効率的に実施することができます。

参考事例

保健・医療セクター(アフリカ):

【画像】

サラヤ株式会社は、ウガンダにおいて、医療機関におけるアルコール消毒薬の普及を通して院内感染を防ぎ、妊産婦や乳幼児の死亡率低減を目指す事業を行っています。感染症予防に対する認識が低い現地の医療施設を対象として市場を開拓するため、同様に現地の衛生改善に取り組む現地保健省やJICA、国際NGOなど連携して衛生管理とアルコール消毒薬の有効性に関する啓蒙活動や普及活動を行い、需要喚起につなげています。

医療従事者に対して院内感染予防に関する啓蒙を行った結果、院内での下痢性疾患や帝王切開後の敗血症の減少といった効果が見られています。

※写真は、現地の病院スタッフが、サラヤ株式会社のウガンダ現地法人、SARAYA East Africaが提供したアルコール消毒薬を使っている様子です。

対応策(2):現地コミュニティの活用

消費者に直接リーチする代わりに、コミュニティに根差した団体や既存のBOP層の組織と連携することで、効率的に多くの消費者へのリーチが期待できます。そうしたチャネルを獲得することにより、製品・サービスのコンセプトをBOP層に浸透させることや、製品・サービスに対するBOP層のニーズを吸い上げることが可能となります。

参考事例

水セクター 技術製品(アジア):

浄化剤の提供により清潔な水へのアクセス向上を目指すE社では、製品コンセプトの消費者への啓蒙活動や販売、運営を現地コミュニティ住民主導で実施することで新たな市場の開拓を行っています。同社は販売活動においては販売員として女性が活躍しており、コミュニティ内の家庭を一軒一軒回って対面販売を行うことで製品価値を伝達し、製品をコミュニティに浸透させることを目指しています。また、製品価値の浸透だけでなく、代金回収や製品の保守・メンテナンスといった運営に関しても現地に委任することで、事業に関わる現地住民に責任感や秩序が生まれ、運用の継続性が高まる傾向が見られています。

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