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登壇者インタビュー第3弾 阪神高速道路株式会社 技術部国際室長 西林素彦さん

2020年8月7日

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阪神高速道路株式会社
技術部国際室室長
西林素彦さん

三人目は、阪神高速道路株式会社 技術部国際室室長の西林素彦さんのインタビューです。

進出先:
モロッコ

課題分野:
インフラ

企業概要:
50年以上、阪神地域の都市内高速道路の建設及び運営管理を行う会社。最初は公団として設立されましたが、2005年に民営化され、民営化以降は、国際プロジェクトを含む長年の経験、技術力を生かした外販事業にも力を入れています。

アフリカでの事業概要:
同社は、JICA長期専門家の派遣、コンサルタント業務等の実施を通して、高速道路の運営管理に関する技術移転、管理者の能力強化を行ってきました。特に、道路構造物のアセットマネジメント(点検、診断、補修・補強)に関しての業務に多くの実績があります。
モロッコは、高速道路整備について他のアフリカ諸国に比べて一歩抜きんでており、建設から維持管理の時代に移行しつつある状況です。その中で、今後の強化ポイントとして注目している構造物のアセットマネジメントに対して、単なるコンサルティングではなく、一つのコア技術(注:NINJA-TECH)の導入を通しての共同維持管理ビジネスの展開を図っています。
(注)Ninja-tech:ロープや特殊機材を駆使して、高所などでの点検・調査・補修などを安全に行う技術ています。

1.アフリカビジネスに関わるきっかけを教えてください。

阪神高速としては、80年代からケニア、エチオピア、マラウイ等のアフリカ諸国にJICA長期専門家を派遣していました。自身も2010-2013年にケニアに赴任しており、その後3人の後任専門家を送り出しています。その後アフリカ諸国における道路マネジメントのニーズの高まりから、関連するコンサルタント業務を、主に他の国際コンサルタント会社と共同で受注するようになり、現在ではケニア、エチオピア、モロッコ、チュニジアでの実績がございます。特に、モロッコでは橋梁の特殊な点検技術の普及、点検員の育成を通した総合的な維持管理ビジネスの展開を現在行っています。

2.アフリカビジネスでのご経験について教えてください。

モロッコでの維持管理ビジネスの展開は、2014年10月頃の突然のモロッコ投資庁の方からの電話から始まりました。「モロッコの道路会社が日本の道路会社と提携を希望している。どの会社でも構わない」との電話に対して、我々は「まず大阪に来て阪神高速を見て欲しい。提携の話はそれから」とお返事させて頂きました。2週間後、モロッコ国営高速道路会社(ADM)の総裁がお一人でいらっしゃり、その後は当社からのモロッコ訪問、技術者との直接交流と議論、技術交流の覚書締結、実際の点検員の育成開始と技術アドバイザリー契約と、短い間にとんとん拍子に具体的な活動が進みました。小さい縁でも大事にして信頼関係を築くことにより、大きなビジネスに育つことを痛感しました。

3.どのような想いでアフリカビジネスに携わっておられるのでしょうか。

アフリカの道路はまだ未整備であり、新規建設が主流である感覚を持たれやすいのですが、実際は、ネットワークが既に完成し維持管理に力点をシフトし始めた国、建設と並行して維持管理の能力強化を重視している国、PPP事業として運用も民間に委ねることを考えている国と様々です。このニーズの高まりの中で、50年以上の高速道路の高度な運用、維持管理の実績のある阪神高速が大きな貢献ができることを実感しています。今後も阪神高速の経験に裏打ちされた技術、ノウハウを、道路という重要なインフラをマネジメントする上での基本的な哲学を含めて、アフリカで普及し続けて行きたいと考えています。

西林さんのお話をより深く聞きたいという方は、サイドイベントへぜひお越しください!

お申込み

おかげさまで沢山のご応募をいただき、参加登録受付は終了いたしましたが、満員御礼、ご好評につきYouTubeでのライブ配信を行うこととなりました!

8月28日(水)16:00~、お手持ちのスマートフォン、パソコンから下記URLにアクセス頂き、ディスカッションの様子をリアルタイムでぜひご鑑賞ください!
(注)音声配信は日本語のみとなっておりますのでご了承ください。

登壇者ご経歴

大学の専攻は土木工学。1987年に阪神高速道路公団(現阪神高速道路(株))に奉職後、都市高速事業の計画、設計、建設、維持管理に従事。2010-2013年にJICAの長期専門家としてケニアに派遣され、ケニア国の道路維持管理業務の契約に関する能力強化の技術協力プロジェクトに従事。現在は、国際室長として、技術交流、コンサルタント事業、投資事業、グローバル人材を含む阪神高速の国際事業の全体総括を担当している。

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(左)橋梁維持管理の能力強化について、現地パートナーと打合せをしている様子(エチオピア)
(中)現地パートナーと道路維持管理現場で対応している様子(ケニア)
(右)日本における道路維持管理の研修の様子(ケニア)

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(左)モロッコの橋梁でのNINJA-TECHを用いた点検研修の様
(右)日本の橋梁でのNINJA-TECHを用いた点検研修の様子(モロッコ)

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