プロジェクト概要

プロジェクト名

和:持続的食糧生産のためのコムギ育種素材開発プロジェクト
英:The Project for the Development of Wheat Breeding Materials for Sustainable Food Production

対象国名

アフガニスタン

署名日(実施合意)

2011年2月26日

プロジェクトサイト

カブール市

協力期間

2011年4月1日から2016年3月31日

相手国機関名

和:農業灌漑牧畜省
英:Ministry of Agriculture, Irrigation and Livestock

背景

アフガニスタンにおいて農業の復興は、貧困削減および社会福祉の向上に貢献する重要な課題の一つである。将来にわたる農業の持続的な開発にとって、科学的知識を蓄積し、技術開発を行い、研究者を育て、関連施設を復旧し、農民自身による適切な作物栽培に資する効果的な普及サービスを提供することは不可欠である。
アフガニスタンの主食として小麦は最も重要な作物であるが、その生産量は降水量など自然条件に左右され、旱魃の影響等による低収量によって、国内の需要を満たすことができない状況である。アフガニスタンの国家目標である小麦増産を達成するためには、灌漑面積を拡大すると同時に、アフガニスタンの気候風土に適した高収量品種の開発、それを可能にする小麦育種システムの再構築が必要である。
このような背景のもと、アフガニスタン農業灌漑牧畜省から、我が国の科学技術・研究ノウハウを生かし、新たな生物資源の遺伝的多様性と可能性を利用して病気や乾燥に強いコムギ品種の開発に必要な素材と技術を開発し、コムギ品種改良を支える若手研究者の人材を育成し、コムギ育種システムを構築するためのプロジェクトの要請がなされた。これを受け、JICAは独立行政法人科学技術振興機構(JST)と連携し、日本の科学技術を活用して地球規模課題解決のために開発途上国の関係機関と共同研究を行う科学技術協力(SATREPS)として本プロジェクトを実施する。本プロジェクトは、アフガニスタン農業灌漑牧畜省(MAIL)をカウンターパート機関とし、横浜市立大学木原生物学研究所のほか、鳥取大学、理化学研究所との連携の下で、1955年にカラコルム・ヒンドゥークシュ探検隊(木原均団長)がアフガニスタンにて採集した在来コムギの遺伝資源とその祖先にあたる野生種の種子(木原生物学研究所に保存)を生かして、歴史的にも世界的にも貴重な遺伝資源の特性を日本の科学技術を用いて分析する。そして近代品種と交配選抜することで、耐乾性・耐病性の高い機能を有する品種を育種開発することを試みる。日本で守られてきたアフガニスタンの遺伝資源を活用し、アフガニスタンの厳しい環境にも耐えうる耐乾性・耐病性に優れた新たなコムギの育種素材開発を、日本のフラッグシップで国内外の研究機関と連携しながら進める。

目標

上位目標:
育種専門家・研究者の能力向上ならびに研究・技術開発と普及サービスの連携強化に関わる活動を通して、中央農業試験場における小麦育種システムが、小麦収量の向上、持続可能な食糧生産、農民の生活向上に対して中心的な役割を担えるようになる。

プロジェクト目標:
アフガニスタンにおける持続的食糧生産に向けたコムギ育種素材が開発される。

成果

(1)アフガニスタンコムギ遺伝資源の多様性評価及び情報の蓄積が行われる。
(2)不良環境耐性の高いコムギ遺伝資源の育種方法及び評価方法が開発される。
(3)近縁野生種の潜在的能力を導入した新規コムギ育種素材の開発が行われる。
(4)アフガニスタンコムギ遺伝資源の保全と育種利用が行われる。

投入

日本側投入:
短期専門家派遣
研修員の受け入れ

相手国側の投入:
カウンターパートの配置
専門家執務室の提供
ローカルコスト負担