プロジェクト活動

プロジェクトの背景

人口の約80%が農村に住むアフガニスタンでは、長年の紛争で農村部も深刻な被害を受けました。同国が安定化し平和を醸成するためには、人々に食料と職業をもたらす農業振興が重要な要です。農業開発を主導する農業灌漑牧畜省では、各国の支援を受け、2009年10月より「チェンジ・マネージメント」と呼ばれる行政機能・能力強化のための組織改革のプログラムに取り組んできました。しかし、多くの欧米ドナーの支援は即効性のある成果発現を追求するため、外部委託のプロジェクト実施ユニット(PIU)を設置するアプローチが主流でした。そのため、同省の正規公務員が自ら実施能力を高めるまでには至らない状態にあり、特に技術部門の育成が弱いとの課題が指摘されてきました。

タリバン政権崩壊後10年を経て、2014年末までに駐留国際治安支援部隊が撤退する見通しのアフガニスタンでは、短期的で成果の発現する支援や財政支援の重視が援助の潮流となってきています。ドナー支援の縮小に伴いより効率的な中長期的支援が求められる中、政策レベル、プログラム・プロジェクトレベルの双方における能力・組織体制強化を通じた農業支援サービスの提供改善を目指す技術協力プロジェクトCDISが要請されました。

CDISとは?

「農業灌漑牧畜省組織体制強化プロジェクト」こちらを訳して「Capacity Development and Institutional Strengthening(CDIS)of the Ministry of Agriculture, Irrigation and Livestock(MAIL)」となります。この英文を口頭説明したところで、通常は「?」という反応をされます。一言でCDISを表現するのであれば、「技術協力プロジェクトのウルトラC!」が的確かもしれません。まず、CDISは以下4つの成果から構成されています。

・成果1:政策立案、プログラム策定・実施管理能力の向上
・成果2:灌漑局による灌漑農業計画策定・実施管理能力の向上
・成果3:研究局及び普及総局による地域ニーズ及び開発ポテンシャルに応じた適正栽培技術及び営農手法の開発普及
・成果4:農家向け農業支援サービスの県政府農業局の能力向上

通常であれば、各成果は其々が独立した技術協力プロジェクト1案件の規模に相当します。よって、CDISは4つのサブ・プロジェクトから構成されるプログラムであるともいえるのです。トップダウンおよびボトムアップの両アプローチを用いるCDISの目標は、対象地域において、農業灌漑牧畜省が主要作物の生産性向上に資する農業支援サービスを農家へ提供できるようになることを目指しています。そして、その究極の目標は、対象地域における主要作物の生産性向上という、まさに壮大な試みです。

さらに、CDISは「型破りな技術協力プロジェクト!」といえます。
不安定な治安情勢が続く同国では、現場で求められる邦人専門家を的確に派遣することが容易ではない状態にあります。よって、求められる成果・活動を行うために、日本人専門家派遣のみならず、国際機関(FAO)への委託、第三国および現地アドバイザー投入、現地NGOとの連携など、国籍・文化も多様なチームによる実施体制となっています。カウンターパートを含めて個性の強い関係者を調整し、纏め、総体としてのプロジェクト目標への到達を目指します。

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研究局と普及総局職員による合同ワークショップにて、現状と課題につき意見交換が行われました。