プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)農業灌漑牧畜省組織体制強化プロジェクト
(英)Capacity Development and Institutional Strengthening(CDIS)of the Ministry of Agriculture, Irrigation and Livestock(MAIL)

対象国名

アフガニスタン

署名日(実施合意)

2012年5月30日

プロジェクトサイト

カブール県

協力期間

2012年5月30日から2017年5月29日

相手国機関名

(和)農業灌漑牧畜省
(英)Ministry of Agriculture, Irrigation and Livestock

背景

アフガニスタン(以下「ア」国)において、農業・農村セクターは、GDPの27%(2010〜2011、Afghanistan Statistic Yearbook)を占める最も重要なセクターの一つである。「ア」国は最貧国の一つであり、人口の約80%が農村に居住し、農業もしくは農業関連セクターに依存して生計を立てている。農村では、季節的及び恒常的な失業が広範にみられ、かつ増加の傾向にあり、このことは深刻な食糧安全保障上の危機、社会経済状況の不安定化、違法経済の蔓延及び絶対的な貧困をもたらす原因となっている。

農業灌漑牧畜省(MAIL)では、2009年10月より「チェンジ・マネージメント」と呼ばれる組織改革のプログラムに取り組んできたが同省の農業支援サービス(農家に対する圃場レベルの灌漑技術指導や農業生産性向上のための技術指導等)の提供能力は依然として不十分であり、農村に居住し、農業もしくは農業関連セクターに依存して生計を立てている人々に安定した生活を提供するためには、適切な農業政策を策定し、これを実施する能力を有する人材を育成することが緊急の課題となっている。

上記の課題に対応すべく、「ア」国政府は我が国政府に対し、政策レベル、プログラム/プロジェクトレベルの双方における能力強化及び組織体制の強化を通じた農業支援サービスの提供の改善を目指す技術協力プロジェクト「農業灌漑牧畜省組織体制強化プロジェクト」(CDIS)を2011年7月に要請した。本要請に基づき、JICAは2012年3月に詳細計画策定調査団を派遣し、2012年5月にR/Dを締結した。

本プロジェクト(CDIS)は、プロジェクト対象地域(カブール県等)において主要作物の生産性向上に資する農業支援サービスをMAILが農家へ提供する能力向上を目的とするものであり、(1)政策立案、プログラム策定・実施管理能力の向上(成果1)、(2)灌漑局による灌漑農業計画策定・実施管理能力の向上(成果2)、(3)研究局及び普及局による地域ニーズ及び開発ポテンシャルに応じた適正栽培技術及び営農手法の開発普及(成果3)、(4)農家向け農業支援サービスの県政府DAILの能力向上(成果4)の4つの活動及び成果から構成される。

目標

上位目標

プロジェクト対象地域において、プロジェクト対象地域の主要作物の生産性が向上する。

プロジェクト目標

MAILが、プロジェクト対象地域において主要作物の生産性向上に資する農業支援サービスを、農家へ提供する能力が向上する。

成果

1.MAILが開発パートナーとの連携強化及び専門家とのコンサルテーションを通じて、政策立案、プログラム策定・実施管理能力を向上する。
2.MAIL灌漑局の灌漑農業計画策定・実施管理能力が向上する。
3.MAIL農業研究局と農業普及総局が連携し、地域ニーズ及び開発ポテンシャルに応じた適正栽培技術及び営農手法の開発普及を一体的に実施する能力が向上する。
4.プロジェクト対象地域の県DAILが、地域コミュニティのニーズと開発ポテンシャルを踏まえた、農業支援サービスを農家に提供する能力が向上する。

活動

共通の活動1

対象地域の現況把握のため、プロファイル調査を実施する。

1-1 大臣、副大臣、その他上級職員に対し、政策決定、プログラムの策定・実施、モニタリング・評価に関する政策的及び技術的コンサルテーションを行う。
1-2 開発パートナーとの共同でのプログラム・モニタリング及び運営管理メカニズムを改善するための技術支援を行う。
1-3 年次総会の開催やその他の広報活動を通じて、本事業の成果と教訓を共有する。
2-1 灌漑局の組織分析及び職員の能力評価調査(現職職員の能力、研修ニーズ含む)を実施する。
2-2 組織強化のための工程表(roadmap)と能力向上計画を作成する。
2-3 灌漑局の各種政策や上位計画にかかる、政策的及び技術的コンサルテーションを行う。
2-4 研修講師を育成するため、パイロット・プロジェクト対象地域において、既存灌漑施設のリハビリを中心とした実証事業を行い、灌漑農業開発プロジェクトの計画、管理、モニタリング、評価に関する実地訓練(OJT:On-the-Job-Training)を実施する。
2-5 上記実地訓練を補完する各種研修を本邦及び/若しくは第三国で実施する。
2-6 上記実地訓練及び研修を通じて得られた知見をもとに、灌漑農業に関する将来的なデータベースの整備指針を策定する。
2-7 上記実地訓練及び研修を通じて得られた知見をもとに、灌漑局職員及び農民向けの灌漑農業に関するマニュアル(将来的な指針や基準づくりのための事例集)の策定・集積・共有を行う。
2-8 講師育成研修(TOT:Training of Trainers)により育成された講師が、プロジェクト対象地域において、灌漑局、州DAILに対し、研修を実施する。
3-1 プロジェクト対象地域の農業生産・流通等にかかわる現状、制度について、調査を実施する。
3-2 現行及び計画中の研究及び普及活動が、地域ニーズ及び開発ポテンシャルに応じたものであり、且つ研究と普及が一体的に実施されているか、見直しを行う。
3-3 研究局と普及局が連携し、適正栽培技術・営農手法普及計画を策定する。
3-4 パイロット・プロジェクト対象地域に於いて、研究局と普及局が連携し、適正栽培技術・営農手法を普及するための研修展示圃場を設置する。
3-5 研究局と普及局が連携し、パイロット・プロジェクト対象地域の研修展示圃場において普及活動を実施する。
3-6 研究局が、研究・普及活動の一体化及び中央・地方農業試験場ネットワーク強化のための研究局年次総会を開催する。
4-1 プロジェクト対象地域の州DAILの組織分析及び職員の能力評価調査(現職職員の能力、研修ニーズ含む)を実施する。
4-2 州DAILが、パイロット・プロジェクト対象地域に於ける研修展示圃場の設置に参画する。
4-3 州DAILが、研修展示圃場に於ける農民に対する適正栽培技術・営農手法普及活動に参画する。
4-4 州DAILが、パイロット・プロジェクト対象地域に於いて、農家訪問を通じて、農業支援サービスの提供を行う。
4-5 州DAILと農業・農村クラスター関連政府機関との連携を強化する。

共通の活動2

対象地域にて、プロジェクト実施による変化及びインパクトを把握するため、中間及び終了時調査を実施する。

投入

日本側投入

・日本人専門家派遣(農業政策/支援計画管理、援助調整/立上げ専門家、組織強化/サブプロジェクトリーダー、業務調整/研修管理、灌漑農業計画、農業普及システム、適正農業技術開発、土壌分析、営農指導 等)
・アドバイザー派遣(インターナショナルコンサルタント、ローカルコンサルタント)農業試験研究・普及体制強化支援アドバイザー、灌漑事業開発アドバイザー)
・資機材供与
・カウンターパート研修:本邦及び第三国
・プロジェクト活動経費

相手国側投入

・カウンターパート及びその他支援スタッフの配置
・プロジェクト事務所の提供