プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)土地区画整理・都市再開発におけるカブール市役所機能向上プロジェクト
(英)The Project for Development Service for Land Readjustment and Urban Redevelopment for Kabul Municipality

対象国名

アフガニスタン

署名日(実施合意)

2016年7月18日

プロジェクトサイト

カブール市

協力期間

2016年9月21日から2020年7月30日

相手国機関名

(和)カブール市役所
(英)Kabul Municipality

背景

アフガニスタン・イスラム共和国(アフガニスタン国とする)の首都カブールでは、国外避難民の帰還や都市部への人口流入により、急激な人口増加が進んでいる。このために旧来の都市計画制度による計画が追いつかず、居住地区の無秩序な拡大により水質・大気・土壌の汚染、交通渋滞、衛生環境の悪化などの都市問題が進行し、都市経済の成長・発展に深刻な影響を及ぼしている。カブール市は、適切な都市化と都市環境改善を最重要課題としており、JICAは2010年から2015年にかけて「カブール首都圏開発計画推進プロジェクト(GKD)」を実施し、これら課題の改善に向けて技術協力を行った。

上述プロジェクトの一環として、カブール市の都市計画マスタープラン(KMP)改定が技術支援され、その後アフガニスタン政府で閣議承認された右マスタープランに基づき、カブール市は都市開発を推進している。また、都市開発及び都市運営にかかる人材育成サブプロジェクト(2011~2015)」を実施し、カブール市役所職員は、研修を通して土地区画整理・都市再開発に関する基礎的な手法を学習した。この成果のひとつとして、カブール市役所内に土地区画整理・都市再開発を担当する専門部署が新設され、土地区画整理事業を活用した既存市街地の更新や制度の整備を進めている。

しかし、カブール市職員の能力は基礎レベルに留まっており、アフガニスタンの現状に合わせた土地区画整理・都市再開発の事業を実施するには十分とは言えない。また、右事業手法を確立させるためには関連する制度・手法の整備、組織体制の構築、住民への理解促進を併せて進める必要がある。このような状況から、サンプル事業を実施しながら日本人専門家の知見を実践的に習得することを目標として、研修を中心とする「土地区画整理・都市再開発におけるカブール市役所機能向上プロジェクト」がカブール市より要請された。

加えて、計画的な居住区整備や再開発のためにガニ政権はゾーニング制度にも着目し、上記KMPの補足報告書で提案しているゾーニング制度を実践導入して、効果的な都市開発を実現すべく、その支援についてカブール市から追加で要請された。それを受けて、関連する招聘事業にてカブール市幹部との協議を2017年12月に行った。

目標

上位目標

カブール市役所がゾーニング制度に着目しながら土地区画整理や都市開発方式の開発事業に着手する。

プロジェクト目標

カブール市役所はサンプル・プロジェクトの活動・経験を通じて、ゾーニング制度に合った土地区画整理事業/都市再開発事業を実施する能力を備える。

成果

成果1:土地区画整理事業/都市再開発事業のための法制度的な枠組みが確立する。
成果2:資金調達方式が確立される。
成果3:仮移転にかかる方法が確立される。
成果4:土地区画整理事業/都市再開発事業に関する認識がカブール市民社会に普及する。
成果5:サンプル・プロジェクトの準備段階が完了する。
成果6:ゾーニング制度と土地区画整理事業/都市再開発事業の関係が整理される。

活動

1-1 土地区画整理/都市再開発事業への適用のために既存法制度が検討される。
1-2 既存法制度に基づく土地区画整理事業/都市再開発事業の種類が特定される。
1-3 サンプル・プロジェクトに適用可能な問題解決(合意方法)を検討する。
1-4 難易度の高い土地区画整理事業/都市再開発事業を実施する上での矛盾点や問題点を特定する。
1-5 (既存法規の改定あるいは新たな法令の制定など)法的効力を得るための戦略が確定される。
1-6 法規承認のための法令案が作成される。
1-7 カブール市役所における新法令の承認手続きの準備が整う。
1-8 法令のカブール市役所以外の関係機関承認手続き準備が整う。

2-1 資金調達の選択肢が確立される。
2-2 資金調達における法的根拠が分析される。
2-3 活用可能性の高い資金調達の選択肢が特定される。
2-4 資金調達の問題点が分析される。
2-5 ステークホルダーとの協議を支援する。
2-6 問題点の解決方法が分析され対応策が取られる。
2-7 適切な資金調達の選択肢が選定され、サンプル・プロジェクトに適用される。

3-1 仮移転スキームの選択肢が作成される。
3-2 各仮移転スキームの選択肢の法的根拠が分析される。
3-3 カブール市における仮移転スキームの選択肢に関する内規が策定される。
3-4 (必要に応じ)サンプル・プロジェクトにおける仮移転計画が策定される。
3-5 サンプル・プロジェクトにおける仮移転計画の運用手続きが整備される。
3-6 国家環境保護局との協議が実施される。

4-1 土地区画整理事業/都市再開発事業の市民へのアピールポイントが策定される。
4-2 広報手段が確立される。
4-3 広報の材料・コンテンツが整備される。
4-4 広報活動の実施を支援する。
4-5 土地区画整理課の新規配属職員や、地区職員、他市役所のための土地区画整理事業/都市再開発事業マニュアルを作成する。

5-1 サンプル・プロジェクトの目的が明確化される。
5-2 サンプル・プロジェクトの種類が特定・定義される。
5-3 サンプル・プロジェクトのサイト選定のための基準が設定される。
5-4 サンプル・プロジェクトが選定される。
5-5 サンプル・プロジェクト対象地区の調査実施を支援する。
5-6 ステークホルダーへのコンサルテーション実施を支援する。
5-7 土地区画整理事業/都市再開発事業計画の策定およびステークホルダーからの合意形成のための支援を行う。
5-8 サンプル・プロジェクト実施のための準備が完了する。
5-9 パンフレットや他の広報資料が準備される。
5-10 サンプル・プロジェクトからの教訓を法的文書(案)に盛り込むための支援を行う。

6-1 ゾーニング制度導入の目的が明確化される。
6-2 ゾーニング制度と既存の都市計画・都市再開発制度との整合性が図られる。
6-3 ゾーニング制度体系での建築規制や土地利用規制等とサンプル・プロジェクトの計画内容の整合性が図られる。
6-4 ゾーニング制度体系を踏まえた都市計画体系や都市計画行政の実施体制や実施ガイドラインの準備が図られる。
6-5 ゾーニング制度における建築規制や開発規制等の実施運用が整理される。
6-6 ゾーニング制度における民間との関係構築が整理される。

投入

日本側投入

1.専門家派遣
(1)総括/総合都市計画
(2)土地区画整理
(3)市街地再開発
(4)土地利用計画
(5)ファイナンシャル・プランニング
(6)不動産評価
(7)法律・制度・組織
(8)社会経済分析/パブリックコンサルテーション
(9)トレーニング・プログラム策定及び評価モニタリング
(10)都市計画/業務調整
2.本邦研修
3.第三国研修(インド)
4.第三国での現地コンサルタント調達
5.オフィス設備
6.現地支援スタッフ

相手国側投入

1.土地区画整理(LR)/都市再開発(UR)部門の必要な訓練を受けたスタッフ
2.カブール市役所内作業スペース、ロジスティック、日当など
3.LR/UR委員会(必要な場合)
4.法律およびコミュニケーション専門家
5.都市計画・都市開発、ゾーニング制度の技術顧問
6.都市計画シニア・プランナー
7.広報材料費用
8.会議やセミナーの費用