昭恵夫人、東カリブエンジニアたちとの交流−「ヤマハとJICAは日本の誇りです」

2014年9月24日

7月28日、安倍首相の中南米訪問に同伴された昭恵夫人が、トリニダード・トバゴ国のカリブ漁業開発訓練所(CFTDI:Caribbean Fisheries Training and Development Institute)を訪問し、JICAがヤマハ発動機株式会社(以下、「ヤマハ」)と連携し実施している「カリブ地域における漁民と行政の共同による漁業管理プロジェクト」(通称CARIFICO)の4ストローク(サイクル)船外機修理保守研修を視察されました。

この研修は、東カリブ諸国漁業において、2ストロークに比べ燃費が良く環境にも優しい4ストローク船外機の導入を促進するため、構造が複雑な4ストロークの修理保守の正しい知識を、この地域の行政(水産局)担当者と漁民が得ることを目的として実施されました。4ストローク船外機の導入促進により、漁業コスト(燃料費)削減、漁民の収益改善、持続的な漁業の促進が期待されています。
CARIFICOは、この研修に必要な施設・技術を、JICAがかつて水産訓練普及の技術協力プロジェクト(1996年から10年間)を実施したCFTDI、そして、カリブ地域の船外機販売で最大のシェアを有するヤマハと連携することで確保し、7月23〜31日の間、東カリブ5ヵ国(セント・クリストファー・ネーヴィス、アンティグア・バーブーダ、ドミニカ、セントビンセント及びグレナディーンズ諸島、グレナダ)からの研修員10名に対し、この研修を実施しました。

昭恵夫人は、CFTDIご到着後、国土・海洋省政務官、CFTDI所長などによる出迎え、花束贈呈を受け、施設の沿革・活動内容の説明をお聞きになりながら、食品加工ユニット(燻製道具、干物等の加工品展示)漁具部門など施設各所を視察されました。

また、昭恵夫人は、ヤマハから派遣された講師の支援のもと、CFTDI講師が実施する4ストローク船外機の分解組立実習の様子をご覧になり、講師、研修員などと意見交換をなさいました。意見交換は、日本の技術を現地に適用する場合の留意点、カリブ地域の水産資源の状況といったテーマだけでなく、気軽な話題もあり、とてもなごやかな雰囲気で進められました。

ヤマハ講師からは、製品を売るだけでなく、そのメンテナンスのための人材育成を重視するヤマハの企業理念が、またCARIFICO日本人専門家からは、CFTDIで実施されたプロジェクトの成果、及びCFTDIとの関係継続が、この研修実現に大きく貢献した、といった点が説明されました。

昭恵夫人はその他、訓練船への試乗、記念撮影・記念品交換などのプログラムをこなされた後、CFTDI関係者、CARIFICO専門家、研修員に見送られ、CFTDIを後にされました。

今回の昭恵夫人ご訪問において、最も印象に残ったできごとは、夫人の「ヤマハとJICAは日本の誇りです。」というお言葉でした。このお言葉は、現地関係機関とのネットワークとオールジャパンの体制を築くことにより、日本から遠く離れ、多くの日本の方々には馴染みのないカリブ地域で、地道に指導と支援を継続してきた、これまでのヤマハ、JICA双方の取組をねぎらい、モチベーションを大いに高めるものでした。また、日の丸を背負っている、という責任の重さを関係者が改めて自覚し、今後も「日本の誇り」と評価される活動を継続する、との決意を新たにする貴重な機会となりました。

【画像】

ヤマハ講師から説明を受ける夫人

【画像】

専門家、ヤマハ講師、研修生たちとの全体写真