漁民同士での技術や意見の交換を通じた成果の普及

2017年7月26日

2017年7月20日〜25日にかけて、アンティグア・バーブーダ、ドミニカ、セントルシアから総勢11名の漁民と水産局員がグレナダを訪問し、漁民間技術交流会を開催しました。その目的は、グレナダの先進的な漁業共同管理、特に、漁民組織の運営方法を参加者に学んでもらい、自国でフィードバックしてもらうことにあります。
対象地域であるグレンビル漁村では、3年程前に、グレンビルFAD漁民組織が立ち上げられ、以来週一回のペースで定例会が開かれています。水産局員によると、この様な継続的な取り組みには、漁民ひとりひとりの役割分担を明確にして、それぞれの活動に責任を負わせることが重要ということです。今日では、100名以上の漁民によるFAD利用料金の支払いも行われていますが、3年前の開始当初は、支払いに応じる漁民は稀で、水産局員が漁民ひとりひとりを説得してきたエピソードなどが披露されました。
また、各国の漁民が集まる好機をとらえ、操業実習を通じてお互いの技術を学びあうことも、目的の一つです。早朝より、サカナ・ハンター(注)に乗船し、それぞれの技術を用いて操業を行った結果、運よく70ポンド(32キロ)のキハダマグロが釣り上げされました。
通常のプロジェクト活動では、我々日本人の専門家が、日本や他国の技術を移転しています。加えて、今回の様に、現地の漁民が自らの経験に基づき話をしたり、技術を交換したりすることは、漁民同士の技術向上や連携の強化に大きく役立ちました。

(注)サカナ・ハンターについては、過去のニュースを参考。

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早朝3時半に出航。

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操業中の漁船。

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漁獲されたシイラ、高値で取引される。

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漁獲されたキハダマグロ

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セントルシアの漁民と記念撮影。

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アンティグア・バーブーダとドミニカの漁民と記念撮影。

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漁民同士の意見交換会。

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グレナダでの経験や教訓を伝える、プロジェクトマネジャー。