グアテマラにおける第二回合同調整委員会(JCC)の開催と火山防災能力強化への挑戦

2017年7月10日

作成者:伊良部秀輔(グアテマラ、コスタリカ、CEPREDENAC担当長期専門家)

2017年6月5日、グアテマラにおいて第二回合同調整委員会(JCC)が開催されました。カウンターパート機関であるグアテマラ国家防災調整庁(SE-CONRED)の敷地内にあるCONRED報道センターを使用して、全ての部局の部長、プロジェクトマネージャ、JICA事務所、BOSAIフェーズ2日本人専門家チームが一堂に会し、プロジェクトの進捗状況、達成項目、課題そして2017年中の活動計画などが関係者に共有され確認されました。カウンターパート組織内で、プロジェクトの取組みが周知され組織的な実施運営につながっています。

今回の会合開催までに、何度も日本人専門家チームとカウンターパートが会合を重ねプロジェクト進捗のモニタリング活動も含めて2015年7月から始まったプロジェクトのこれまでの成果を協議、確認しています。プロジェクト開始当初は、関係者の数と多様さなどから実施体制の整備に非常に時間と労力がかかりましたが、1年半経過してようやく徐々に取組みの成果がでてきました。

グアテマラにおいては、火山防災体制強化が焦点となって取組みが進められており、日本の知見と経験を応用した活動が進められています。今回のJCCでは、火山防災協議会の設置、火山防災に関する情報活用、簡易雨量計の研修と火山泥流を想定した早期警報体制の整備、CONREDが独自にもつ火山防災チームの装備強化などの進捗と成果が確認されました。
能力強化の取組みとして、第二回のJCCに先立ち、CONRED火山防災チームへの装備強化支援が行われ、モトクロス型バイク、火山ガス対策用マスク、耐熱手袋、ブーツ、ゴーグル、ヘルメットなどが供与されています。

また、カウンターパート機関による広報努力により、全国放送のテレビ局をはじめマスコミも多く取材にきており、グアテマラ国内におけるプロジェクトを通じたコミュニティ防災普及・啓発の一環にもつながりました。これは、プロジェクトの活動目標の1つである「コミュニティ防災の普及促進」の観点からカウンターパートが積極的に取組んだ活動で、プロジェクトの広報を通じて全国的にコミュニティ防災に対して意識啓発・普及促進を強化する側面を持っています。

次のステップとしては、長期的な人材育成計画の作成支援、面的に持続的に展開できるコミュニティ防災の普及計画作成支援、簡易ハザードマップ作成支援、噴火シナリオ作成支援、防災マップ作成支援、避難計画作成支援など、段階に応じて、日本の知見を活かしながらカウンターパートの能力強化を念頭において計画されています。

以上

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プロジェクトマネージャによる成果共有。壇上は、JICAグアテマラ事務所所長とSE-CONRED長官。

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ミニッツ署名の様子。報道関係者、カウンターパートの全部局の部長など多くの関係者が集まりプロジェクト内容が共有された。

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モニタリングとJCC準備会合の様子。日本人専門家チームとプロジェクトマネージャ含めた関係者で議論を重ねる。プロジェクト進捗を確認し、専門家チームとカウンターパートの方針を一致させる重要な意味をもつ。

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JCCに先立ち実施された火山防災チーム能力強化のための装備の供与。ヘルメット、マスク、ゴーグル、ブーツ、手袋などモトクロス型バイクに加えて供与された。火山噴火の際の迅速な被災情報収集、避難誘導、被災者捜索救助、平常時のコミュニティ訪問、火山活動が活発になった際の火山活動モニタリングなどに効果を発揮する。