コスタリカ第2回合同調整委員会(JCC)会議が開催されました

2017年9月26日

作成者:伊良部秀輔(グアテマラ、コスタリカ、CEPREDENAC担当専門家)

BOSAIフェーズ2プロジェクト実施におけるコスタリカでの主要な活動の1つは、「コミュニティ防災を普及展開できる人材育成研修の実施とその仕組みづくり」と位置付けています。2016年9月から、コミュニティや市役所の職員に対する研修をカウンターパートと多くの協議を重ねて計画し、研修を実施してきました。2017年9月現在、総計349名がこの人材育成研修に参加しています。

この研修の過程で、これまでは受動的に研修を受けているだけであったコミュニティの住民が、積極的に他の研修参加者と意見交換をしたり、防災活動について質問をしたりと大きな変容がみられる事例も生まれてきました。

カウンターパート側から、BOSAIプロジェクトの研修を通じてコスタリカのコミュニティ防災研修参加者内に良好な態度の変容が認められていること、驚きをもって我々日本人専門家チームに伝えられました。

コスタリカでの研修の特徴は、日本人専門家による研修実施後の受講者へのフォローアップをカウンターパートが自主的に実施していることです。カウンターパート自身でフォローアップを行うことには大きな意義があります。ひとつは、コミュニティからの参加者が、前の研修の成果を咀嚼する絶好の機会が得られることです。また、住民が継続的に参加する研修の場を提供する事で参加者同士の信頼感が高まり、行動の変容に好影響を及ぼしている、と日本人専門家チームは理解しています。

プロジェクト活動が少しずつ上述のような効果を生み出している中、2017年9月26日にコスタリカBOSAIフェーズ2プロジェクトの第2回合同調整委員会(JCC)会議が開催されました。

JICAコスタリカ半谷支所長、カウンターパート側バジェホ防災部長から開会の辞が述べられた後、2016年9月から2017年9月までの間に実施された研修の概要・進捗そして成果について、人材育成の成果を担う小野寺専門家により多くの写真や図を用いて分かり易く発表され、集まった参加者間で共有されました。小野寺専門家が研修実施に導入している「疑似体験する」、「作業を取入れる」、「分かり易い方法で、きめ細かく説明する」などの手法が、理論に偏りがちなコスタリカ国の防災研修手法に比べて、受講者およびカウンターパート側には非常に効果的で理解しやすいと捉えられています。

続いて、プロジェクトマネージャ ダグラス氏からBOSAIプロジェクトの考え方、全体の進捗概要について発表があった後、長期専門家から活動の遅れとその対策案、今後6か月の活動計画などが発表されました。最後に、国家非常事態委員会(CNE)ブレネス長官、JICAコスタリカ支所長がプロジェクト実施と進捗に係る合意文書に署名をして第2回JCC会議が終了しました。

プロジェクトマネージャから発表された大きな成果としては、CNEが国として初めて認証を与える人材育成研修の仕組みを作った事、その研修を通じて既に20名のコミュニティリーダが認証された事、が参加者に共有され、BOSAIフェーズ2の支援によりコミュニティ防災の普及展開を担う人材が順調に育成されている事を印象づけました。

【画像】コスタリカ第2回合同調整委員会(JCC)会議の参加者

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プロジェクト進捗について発表するプロジェクトマネージャ

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人材育成研修について進捗と成果を発表する小野寺専門家

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プロジェクトの進捗、人材育成研修の概要発表、持続可能な人材育成の仕組みつくりなどについて意見が交わされた後、合意文書に署名がなされた。