グアテマラ防災機関内において、火山防災対策に関する活動報告会が開催されました

2018年11月12日

2018年11月12日、グアテマラ国家防災調整庁(SE-CONRED)にて、同機関の関係職員に対し、火山防災におけるソフト防災対策活動に従事した西川コンサルタントチーム専門家の最終報告会が開催されました。

BOSAIプロジェクトでは、プロジェクトの実施を通じて「防災情報能力強化」「組織体制強化」「人材育成強化」そして「ローカルな防災活動の強化」が期待されています。
そのうちの1つである「ローカルな(市とコミュニティレベルの)防災活動の強化」について、グアテマラでは火山災害を対象災害種として、コミュニティや市に対し、火山防災におけるソフト防災対策を支援しており、プロジェクト日本人専門家チーム内では、主に西川専門家が火山防災を担当し、約3年間、技術支援を行ってきました。

報告会では、2016年から進められているプロジェクトの支援活動の主な成果が紹介されました。
1.火山防災協議会の設置と継続的な開催(2016年から2018年11月までの期間で、計6回以上の開催)
2.火山防災協議会の議題となる「噴火履歴表」「ハザードマップ」「噴火シナリオ」の作成
3.2018年10月に完成した「火山BOSAIマップ」の関係機関およびコミュニティへの配布・周知
4.コミュニティでの初動確認を主眼とした避難訓練の計画立案・実施
5.コミュニティ住民による雨量計を用いたラハール(火山性土石流・泥流)監視の研修実施

また、これからのグアテマラの火山防災に期待される取組みへの参考として、日本の総合的な火山防災の取組みが紹介され、退避壕、ワイヤーセンサー、導流提、スリットダム、無人化重機操作などの本邦技術を紹介しながら、ソフトとハードの両面からの対策の重要性が強調されました。

最後に西川専門家から、日本人専門家チームの一員として、カウンターパート機関と円滑に活動が進められた事、SE-CONRED本部をはじめ現場の防災機関の職員やその他関係者から温かく迎え入れられ、気持ちよく技術支援が実施できた事などに対して、感謝の意が述べられ報告会を終了しました。出席したカウンターパート機関職員からは、これまで行われた西川専門家による技術支援についての感謝の意が述べられるとともに、専門家と共に実施した活動を引き続き継続していきたい旨のコメントがありました。

プロジェクトでは引き続き、コミュニティや市に対して、火山防災におけるソフト防災対策を支援する取り組みを推進していきます。

作成:伊良部 秀輔(長期専門家)

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西川専門家による最終報告会の様子。防災機関の渉外部、対応部、予防部、普及啓発部、研修部などからカウンターパート職員が参加した

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住民に配布されるBOSAIマップを確認する防災機関職員の様子

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グアテマラでの今後の総合的な火山防災への期待がソフト・ハード両面から、日本の事例を用いて説明された

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報告会終了後、火山BOSAIマップの前で防災機関普及啓発部のインタビューに応じる西川専門家(写真中央)