効果的な噴火対応を目指すため、サンティアギート火山地域でタイムライン研修を開催しました

2019年3月7日

2019年3月7日、グアテマラ共和国内のプロジェクト対象地域であるサンティアギート火山地域において、タイムライン策定ワークショップを開催しました。ワークショップには同地域内のプロジェクト対象4市の防災担当者、カウンターパート機関である国家防災調整庁(SE-CONRED)の地域担当官や火山ユニット技官など9名が参加し、2017年からタイムライン策定のためのワークショップを重ね、今回のワークショップでタイムラインの最終版が完成したことが、本ワークショップの大きな成果といえます。

本ワークショップには日本人専門家チームからは3名が参加し、策定作業を支援しました。
前原専門家が研修を主導し、小野寺専門家、伊良部専門家が技術面の支援を行ない、これまでに、同火山地域では火山防災協議会の開催を通じて、前原専門家主導のもと、2回のタイムライン策定ワークショップを実施し、火山ユニット技官と伊良部専門家が作成段階のタイムラインを見直す作業を2回実施した後、今回の最終化のためのワークショップ開催となりました。

前回ワークショップ同様、今回も非常に活発に意見交換がなされ、各組織の役割、警報レベルに応じた準備・対応行動が関係者間で明確にされるなど、参加者それぞれで理解していた情報を再認識する場となりました。
また、サンティアギート火山地域における基本的なタイムラインが完成したことで、タイムライン手法の特徴である「理解が容易」で「関係者間で共通認識を持ち」「警報レベルに応じて、誰がどのような行動をとるのか」が明確になる成果物となりました。

参加した市の防災担当者からは「とても使いやすい行動のチェックリストとなった。既存の対応計画に追加して活用していきたい」との感想も聞かれました。
作成されたタイムラインは、大きく印刷し、サンティアギート火山地域の関係組織に配布する予定であり、配布後も、試行演習を実施して更なる見直しを加えていくことが計画されています。

次回は、パカヤ火山地域で同内容の研修を実施する予定です。

作成:伊良部 秀輔(長期専門家)

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サンティアギート火山地域のタイムライン作成ワークショップ。前原専門家主導のもと、技術指導の様子

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ワークショップに参加した4市防災担当者、SE-CONRED地域担当官、火山ユニット職員、日本人専門家

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火山ユニット職員がファシリテーターとなって、前原専門家と共にタイムラインの準備・対応行動を1つ1つ見直す様子

【画像】完成したタイムラインの一部