プロジェクト成果の共有と地方防災計画策定8ステップ演習の広域ワークショップが開催されました

2019年7月9日

2019年7月8日、9日の2日間にわたり、グアテマラ・アンティグアにおいて、プロジェクト成果の共有と地方防災計画策定8ステップ演習の広域ワークショップが開催され、各国防災機関とプロジェクトパイロット市・コミュニティの代表28名が参加しました。
今回の広域ワークショップは、第4回広域合同調整委員会(広域JCC)会議と合同で開催され、各国防災機関の代表者、調整官、プロジェクトマネージャーをはじめとして、パイロット市の市長を含む防災担当官、コミュニティリーダーが参加し、プロジェクト成果の報告と優良事例の紹介が行われました。また、地方防災計画策定8ステップ演習では、各国ごとに実習形式でリスク削減のための計画策定の演習を行いました。

プロジェクト成果と優良事例の共有を通じて

各国から市・コミュニティの代表者が登壇し、中米防災調整センター事務局(SE-CEPREDENAC)のエレラ事務局長の進行のもと、パネルディスカッション形式で、各地の防災活動の成果紹介が行われました。プロジェクト開始前は、災害についての知識も関心もほとんどなかった住民の意識と防災への取り組みが、本プロジェクトを通じて大きく変化した旨の報告と併せ、各国でのプロジェクトを通じて実施した啓発活動、体制強化、人材の育成などの好事例となる活動が紹介されました。
各国防災機関からの優良事例紹介では、各国からタイムラインや避難所運営ゲーム(HUG)などの参加型の活動を通じたコミュニティリーダーの育成、火山防災協議会の形成と開催を通じたハザード分析やマップの作成、避難訓練の実施、リスク分析のための災害情報システムの構築、防災インストラクターの養成、広域情報ポータルサイトの構築など、幅広い活動成果と優良事例が紹介され、中米地域に共有されました。
SE-CEPREDENACのイニシアチブについても目を見張るものがありました。準備段階からパネルディスカッションの進行とテーマを計画し、各国への参加を促しました。発表の冒頭には、導入プレゼンテーションを行うなどの工夫を凝らし、また、翌日の広域JCCのプログラムとブース展示との関連を考慮し、各国防災機関による発表内容を調整しました。

中米6カ国が参加した地方防災計画8ステップ演習

基調講演では、JICA地球環境部防災グループ後藤課長より、防災計画とこれに基づく防災への事前投資の重要性、仙台防災枠組への取り組み強化の必要性が共有され、2日目の地方防災計画策定8ステップ演習へと繋がっていきました。
JICAが開発したこの地方防災計画策定8ステップ演習では、国ごとのグループ作業によって積極的に各ステップの協議を行いました。今回の広域ワークショップを通じ、国の防災機関と市・コミュニティの代表者が一堂に会して協議ができたことは貴重な場となりました。演習は日本の例を用いて行われましたが、各国の参加者は自国・地域の特性に合わせた例を出して検討と立案を行うことができました。
仙台防災枠組と中米防災政策(PCGIR)を常に意識し、地方防災計画の策定を見据えた、地方防災推進への大きな進展に寄与する広域ワークショップとなりました。

中米広域防災能力向上プロジェクト・フェーズ2(BOSAI2)では、今回の広域ワークショップの成果を広く中米地域で共有するとともに、今後のプロジェクト活動に活かしていきます。

作成:井後 穂高(コンサルタント)

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各国の市・コミュニティの代表者が登壇し、好事例の紹介とプロジェクトによる成果発現について積極的に紹介しました

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各国プロジェクトマネージャーによる活動報告では、さまざまな活動と成果、そして持続性を確保する取組みが紹介されました

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地方防災計画策定8ステップ演習では、国ごとのグループに分かれて作業を行いました

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防災責任機関のスタッフ、市からの代表者が混ざり、議論と作業が進められます

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演習の最後は、国ごとに取りまとめた結果を発表しました

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セミナーでは、JICAグアテマラ事務所から国家防災調整機関(CONRED)に、プロジェクト活動で作成された「市防災課設立ガイド」の贈呈式が行われました