ニカラグアBOSAIフェーズ2プロジェクトの知見と成果が中米各国に共有されました

2019年7月10日

2019年7月8日~10日に掛けて、プロジェクト広域ワークショップ及び合同調整委員会(JCC)が開催され、ニカラグアのプロジェクトの知見と成果が中米防災関係者に共有されました。

8日、9日は、BOSAIフェーズ2プロジェクトのカウンターパートであるニカラグア国家災害管理・防災システム局(CD-SINAPRED)、パイロット市であるサンフアンデルスール(San Juan del Sur)市とコミュニティ代表が、広域ワークショップでコミュニティ防災の取り組みを紹介しました。サンフアンデルスール(San Juan del Sur)市からは市長自らが参加し、国の防災イニシアティブに則った市の取り組みについて発表が行われました。その中で、ニカラグアでは国が国民の安全と健康を重視しており、安全面で国・市・コミュニティが連携して防災に取り組んでいることが紹介されました。また、その枠組みの中でBOSAIフェーズ2プロジェクトの取り組みが行われることで、プロジェクト活動の持続性が担保されることにも言及されました。ニカラグアの取り組みは他国からも注目され、例えばコスタリカの参加者からはワークショップ後に個別に質問があり、国を超えてその知見が共有される機会となりました。

10日は広域合同調整委員会(JCC)にて、各国のプロジェクト成果と持続性について発表と議論が行われました。ニカラグアの発表はCD-SINAPRED共同ディレクター(副長官)が行い、BOSAIフェーズ2プロジェクトに対する感謝の言葉が述べられるとともに、プロジェクト活動が国の防災の取り組みとの好連携で進展していることが紹介されました。例えばニカラグアでは、多くの国民が参加する国家避難訓練が年4回開催されており、BOSAIフェーズ2でも個別の活動を通して同訓練への参加を推奨したり、国の防災研修プログラムである国家研修計画にプロジェクトで作成した教材を全国で使用したりするなど、国の防災プログラムとの連携で効果的・効率的なプロジェクト成果の普及を行っています。また、こうした連携がプロジェクト成果の持続性にも繋がっていきます。

その後、各国ブースでの発表も行われ、ニカラグアはプロジェクトで作成した防災研修教材・防災ビデオ・ハザードマップ・活動写真などを展示しました。ここでもコスタリカの参加者から、8月に実施予定の国家避難訓練に向けてニカラグアの知見を活用したい旨や、逆にコスタリカで長年培われている災害情報管理・マネージメントについてニカラグアが学ぶことについて具体的な議論と情報交換が行われました。

BOSAIフェーズ2プロジェクトは、日本からの防災技術協力という側面の他に、中米6か国がそれぞれの国の優良事例を学ぶという側面もあります。特に国の制度・仕組みが類似する国同士では、こうした域内交流・連携が各国の防災対策の進展にも大きく寄与していきます。

ニカラグアBOSAIフェーズ2プロジェクトでは、ニカラグアの成果・知見を国内外に普及していくとともに、時には他国の知見も活用し、引き続きニカラグアの防災体制の強化に努めていきます。

作成:川東 英治(長期専門家)

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サンフアンデルスール(San Juan del Sur)市長の発表

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ワークショップの修了証を授与されたニカラグア参加者と日本人専門家

【画像】広域合同調整委員会(JCC)参加者の集合写真