コミュニティ避難計画策定ワークショップを実施しました

2019年7月28日

2019年7月28日、国家災害対策緊急委員会(CNE)とともにパイロット4市(アラフエリタ市、アセリ市、エスカス市、デサンパラドス市)を対象として、洪水や土砂災害から避難するためのコミュニティ避難計画策定ワークショップをアセリ市内の会場で実施しました。当日はプロジェクトマネージャー、パイロット市の職員、コミュニティ防災委員会メンバーら26名が参加しました。

これに先だち、6月上旬には導入研修を行い、パイロット4市で選定したそれぞれのコミュニティで避難計画策定のための災害リスク分析実習を行いました。今回は、実習により得られた情報や各コミュニティ防災委員会がこれまで記録してきた洪水・土砂災害の被害および前兆などの情報をとりまとめ、そうした情報が行動の判断材料として活用できるように、時系列に沿って整理したタイムライン表の上で、行動の基準となる情報を組み込む演習を実施しました。

コスタリカでは、中米広域防災能力向上プロジェクト・フェーズ2(BOSAI2)によるこれまでの協力により、組織化されたコミュニティ防災委員会(CCE)が、ハザード情報や地域の脆弱性を記載したコミュニティマップの作成、コミュニティレベルでの継続的な雨量観測などが行われてきました。自分たちの地域のハザードを理解し、雨量や危険箇所のモニタリング情報を整理して避難行動に繋げるための避難計画策定研修は、これまでに行ってきた活動の集大成とも言えます。

一方、プロジェクトを通してパイロット4市では、災害時に早めに住民を避難させ、人的被害の軽減を図るためのタイムラインを市および関係機関が共同で策定しています。現在、国のCNEでは、本プロジェクトと協力して、市のタイムラインとコミュニティの避難計画がバラバラなものではなく、有機的に機能するように、市とコミュニティの避難計画(タイムライン)の合同研修の実施が計画されています。

プロジェクト活動を通じ、中央防災機関と市、そしてコミュニティの連携がこれまで以上に強化されつつあり、今後、コミュニティ防災活動の普及を行なう際にも、こうした連携が活かされることが期待されます。
プロジェクトでは、引き続きコミュニティ避難計画策定を支援し、策定された計画の有効性を検証するための避難訓練を支援していく予定です。

作成:佐野 康博(長期専門家)

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避難計画のタイムライン策定について説明する日本人専門家

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コミュニティ防災委員会のメンバーが市職員とともに避難計画のタイムライン策定を行なう様子(1)

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コミュニティ防災委員会のメンバーが市職員とともに避難計画のタイムライン策定を行なう様子(2)

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コミュニティ防災委員会のメンバーが市職員とともに避難計画のタイムライン策定を行なう様子(3)

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作成した避難計画のタイムラインについて発表するコミュニティ防災委員会のメンバー

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プロジェクトマネージャーと意見交換をする市の職員