ラ・セイバ(La Ceiba)市にて雨量観測研修を開催しました

2019年8月10日

2019年8月3日及び10日に、ラ・セイバ(La Ceiba)市のパイロットコミュニティを対象にした雨量観測研修を実施しました。本研修では、雨量と自然災害の関係性や雨量観測の重要性に対する講義を行うとともに、簡易雨量計の作製を行いました。
ラ・セイバ市では例年のように洪水被害が発生しているため、BOSAI2プロジェクトではコミュニティ住民ができるレベルの活動で、洪水被害リスクを削減する取り組みを推奨しています。

8月3日は、雨量と災害の関係や、基本的な雨量観測方法について講義した後、実際に住民と簡易雨量計を作製しました。今回作製した簡易雨量計は、比較的入手しやすいペットボトルを利用したもので、このツールを通じて誰でも簡単に雨量を計測できることを伝えました。また、これらの活動は既にコスタリカの幾つかのコミュニティで実践されており、彼らの活動するビデオを紹介し、今回の研修参加者が具体的な活動イメージを持てるよう工夫しました。
8月10日には、複数の参加者が自作の簡易雨量計で観測した結果を発表する等、参加者の積極性が確認できる場面もあり、パイロットコミュニティへの定着に向けて一歩前進したといえます。

また、雨量観測に関連し、水位標識を手作りする活動も行いました。特に、パイロットコミュニティに隣接するカングレハル(Cangrejal)川では、20年前のハリケーン・ミッチの際に堤防が決壊した経緯があります。そのため、今後はパイロット地域にあるコミュニティ防災委員会がリアルタイムで河川の水位を確認し、住民に安全な避難を呼びかけられるよう、水位標識の設置と水位観測に関連する研修を行う予定です。

今回の活動はコミュニティレベルで実施できるため、自主避難の判断時に有用な情報が得られることに繋がります。プロジェクトチームは、このような活動を通して、引き続き被害リスク削減に向けた取り組みを進めていきます。

作成:杉本 要(長期専門家)

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簡易雨量計を作製する様子

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簡易雨量計を使用しながら講義をする日本人専門家(写真右)

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水位標識の完成を記念してのグループ写真