サンフランシスコ・デ・サレスコミュニティおいて、コミュニティ防災委員会主導による避難訓練を実施しました

2019年8月30日

2019年8月30日にパカヤ火山地域内のサンフランシスコ・デ・サレス(San Francisco de sales)コミュニティにおいて、同コミュニティにとっては初めてのコミュニティ防災委員会主導の避難訓練がプロジェクトの支援により実施されました。

パカヤ火山はグアテマラの首都、グアテマラシティ中心部から約23km南西に位置しており、2010年の噴火では首都の国際空港が火山灰の堆積により数日間閉鎖するほどでした。そして火山近傍のサンフランシスコ・デ・サレスコミュニティには、トタン屋根を崩落させるほどの大量の灰と噴石が降り注いだ記録があります。

今回の訓練はコミュニティ内の学校と一緒に避難訓練を実施しました。午前10時に教会の鐘による警鐘を合図に、住民と児童生徒が避難を開始しました。サンフランシスコ・デ・サレスコミュニティでは独自の避難訓練は初めてということで、15名のコミュニティ防災組織メンバー全員が緊張した面持ちで訓練を主導しました。また、カウンターパート機関であるグアテマラ国家防災調整局(SE-CONRED)からもプロジェクトマネージャーやパカヤ火山地域担当官をはじめとして、合計6名が参加し、訓練の様子を見守りました。

今回は、パカヤ火山地域で活動するNGOとも連携でき、住民287名・自主防災組織15名と、多くの住民・児童生徒が訓練に参加し、無事に訓練を終えました。訓練後の会合では、継続的な訓練実施の必要性と市との連携強化、そしてコミュニティ防災委員の基本装備の充実、警報発信体制の強化などについて自主防災組織、日本人専門家、カウンターパート機関職員の間で確認することができました。

訓練後のコミュニティ防災委員会メンバーからは、これまでに訓練を実施した他のコミュニティと同様に防災活動に対する関心が高まり、コミュニティに対するコミュニティ防災委員会の重要性への理解が深められた旨のコメントが聞けました。

プロジェクトでは、グアテマラ国での火山災害リスク削減の為、国レベル・広域レベルの活動では火山地域の連携体制強化の仕組みである火山防災協議会の設置、自治体レベルでは市役所の防災課強化、そして災害による被害を直接うける現場レベルでは早期警報装置の設置や無線機配備等を通じた火山活動監視警戒体制強化、避難訓練や基本装備強化等を通じたコミュニティ防災委員会強化を継続して実施していきます。

作成:伊良部 秀輔(長期専門家)

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小さな噴石等から頭部を保護しながら避難する児童生徒の様子。写真右はコミュニティ防災委員会のメンバー。

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一時避難所(公民館)出入口で、コミュニティ防災委員会の担当者が出入りを記録している様子。

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農業用大袋、建設資材の木材を使用した簡易担架で負傷者の搬送訓練をするコミュニティ防災委員の様子。

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避難訓練後のコミュニティ防災委員会とCP機関職員(写真左:帰国研修員)による振返りの様子。