パイロット市にてプロジェクト活動報告会を開催しました

2019年9月4日

2019年9月4日、パイロット4市の一つであるアセリ市の防災担当職員が、アセリ市議会の場でプロジェクトの活動報告を行いました。報告会には、市長、市議会メンバーの他、プロジェクトマネージャー、JICAコスタリカ支所の企画調査員、コスタリカのプロジェクト専門家らが参加しました。

報告会では、アセリ市の防災担当者2名がプロジェクト活動を中心に、JOCV2名の派遣、市職員の課題別研修への参加も含め、2012年から始まったJICAの協力及び国家災害対策緊急員会(CNE)などのコスタリカ防災関連機関と実施してきたコミュニティ防災活動について説明しました。
同市では、プロジェクト開始前にはひとつもなかったコミュニティ防災委員会が現在では19に増えていることを紹介し、プロジェクト活動を通じてコミュニティの組織化が進み、活動が活発化していることが出席者に共有されました。

報告会に参加した市長、市議会メンバーからはこれまでの日本の協力に感謝と賛辞が多く述べられ、プロジェクトを含めた日本の協力による同市での防災分野でのインパクトの大きさを印象付けました。
市議会の場では、今後のコミュニティ防災活動の持続性を勘案して予算の増加が検討されるなど、さらなるコミュニティ防災活動の推進が協議されていることが、これまでの防災活動への支援の大きな成果としてみることが出来ました。

市職員による活動報告に続き、国家災害対策緊急員会(CNE)から参加したプロジェクトマネージャーは、プロジェクト全般の概要について説明を行い、プロジェクト専門家からは広域プロジェクトとしての活動について説明を行ったため、市長をはじめ関係者がBOSAIプロジェクトについて理解を深める良い機会となりました。
また、報告会の場を活用して、CNEによりコミュニティリーダーらへ防災リーダー認定証が授与されました。市長や市議会メンバーから賞状を受領したコミュニティリーダーらは笑顔をみせ、今後の活動へのモチベーション向上にもつながるものと思われます。

コスタリカでは、第3回国連防災世界会議の成果文書である「仙台防災枠組2015-2030」で定められている優先行動に沿って、実際にプロジェクト成果が出ており、優先行動1で定められている「災害リスクの理解」は様々な研修を通じてコミュニティや市でリスクへの理解が深まっており、優先行動2の「災害リスク管理のための災害リスクガバナンスの強化」については、今回のアセリ市議会・市長による活動報告会実施の要請や予算の検討、防災を優先事項にしていく市の取組みなどがみられ、そして優先行動4の中の「効果的な応急対応のための災害への備えの強化」の部分については、これまでにタイムラインの作成、雨量観測ネットワーク、避難計画準備のための街歩きの実施など、実際に成果としてでているものが多くあります。

プロジェクトでは、プロジェクト終了後も活動が持続的に実施されることを念頭に、カウンターパート機関、パイロット市役所によるオーナーシップの醸成を図り、コミュニティ防災活動への支援を継続していきます。

作成:佐野 康博(長期専門家)

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市の防災担当者による活動報告の様子

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市長から防災リーダーとして認定証を授与される市防災担当者

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活動報告会に参加したコミュニティリーダーら

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誇らしげに賞状を掲げるコミュニティリーダー