コスタリカ第4回合同調整委員会(JCC)が開催されました

2019年9月12日

2019年9月12日、プロジェクトのパイロット4市の一つであるアラフエリタ市内のコミュニティ会館にて、第4回合同調整委員会(JCC)が開催されました。カウンターパート機関である国家災害対策緊急員会(CNE)からは長官とプロジェクトマネージャー、中米防災調整センター事務局(SE-CEPREDENAC)職員、パイロット4市の防災担当職員、JICAコスタリカ支所長、日本人専門家の他にオブザーバーとしてコミュニティリーダーらが参加しました。

冒頭、CNE長官は、コミュニティが最初の対応者となる災害時の最初のフェーズが重要であり、自助のコンセプトが肝要であることから、コミュニティリーダーが育成されてきたことを高く評価しました。防災においては3つのC、「コミュニケーション」「コーディネーション」「コーポレーション」が重要であり、プロジェクト成果の一つである気象ネットワークは、この3つのCを体現した一つのシステムだと表現しました。また、コミュニティ防災委員会の組織化などの活動が他のコミュニティにも普及することを期待するとともに、JICAの協力に対する感謝の意を述べました。

プロジェクトマネージャーがおこなった活動進捗報告では、これまで多くのコミュニティリーダーが育成され、4市の合計で44のコミュニティ防災委員会(CCE)が組織化されたと報告しました。さらに、持続的な普及活動のためのメカニズムとして、今後はプロジェクトで研修を実施したテーマやツールを中心に、CNEの支援を受けてパイロット4市とCCEメンバーらが普及活動に取り組んでいく旨の発表を行いました。

日本人専門家の報告では、CNEを含む防災関連機関、市、コミュニティの連携と予防防災への理解、具体的なアクションの設定がタイムラインの策定活動を通じて強化されてきたことについて共有した他、気象ネットワークが避難計画とも連携するなど、全ての活動やツールがリンクしていることはコスタリカ側の努力もあって成し得ていることだと報告しました。また、今後は、プロジェクトの研修を通じて育成された市職員やコミュニティリーダーらが活動を継続して実施し、他地域にも普及していくことを期待したいとコメントしました。

JICAコスタリカ支所長は、8月に実施され、国民の約1/4にあたる100万人以上が参加したコスタリカ初の全国避難訓練が実施されたことを称えるとともに、11月に実施される本邦研修で得られる知識や経験が、研修参加者のみならず帰国後にコスタリカ国内で普及していくことを期待するとコメントしました。また、5年のプロジェクトは現在最終フェーズにあり、持続的な普及メカニズムの適用に期待するものであると述べました。

最後に、CNEよりコミュニティリーダーらへ防災リーダー認定証が授与されたほか、コミュニティ防災委員会メンバーからはCNE長官に対してこれまでの活動の支援に対する感謝状が渡され、相互協力による活動が成果の発現に繋がっていることが伺えました。

今回のJCCでは、活動が持続的に実施されるための普及メカニズムがコスタリカ側から提示されたことから、防災活動を通じて中央防災機関や防災関連機関、市及びコミュニティの連携がさらに強まり、活動が継続して発展していくことが期待されます。

作成:佐野 康博(長期専門家)

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プロジェクトマネージャーから参加者に紹介されるパイロット4市の防災担当者

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オブザーバーとして参加したコミュニティリーダーら

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コミュニティリーダーらから感謝状を渡されるCNE長官

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ミニッツに署名するCNE長官とJICAコスタリカ支所長

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プロジェクト成果の一つであるパイロット4市が作成したタイムラインが会場に掲示された

【画像】第4回JCCの参加者集合写真