2017年度JICA帰国研修員によるハザードマップ周知活動-女性研究者の活躍-

2019年9月26日

BOSAIプロジェクトの関係機関である国家地震火山気象水文庁(INSIVUMEH)から1名の職員が2017年度のJICA「火山防災能力強化」研修に参加し、日本の火山防災の取組みについて約1か月間学びました。帰国後、研修での学びを通じて作成されたそれぞれのアクションプランを持ち帰り、そのプランの実施に取り組んでいます。
今回は、カルラ・チュン(Carla Chun)さんの帰国後の活動を紹介します。

グアテマラには現在活動が顕著な4つの火山があり、カルラさんはその内の1つ、フエゴ火山の観測を担当しています。フエゴ火山は2018年6月3日に通常の噴火活動よりも大きな噴火をし、死者・行方不明者400名以上の災害となりました。被害はおもに、山の南東部から流下した火砕流によるものです。

フエゴ火山災害の期間中及び災害後、カルラさんの所属するINSIVUMEHは、火砕流ハザードマップ及び火山性土石流ハザードマップ等を作成しました。2018年後半からは、それら作成されたマップを火山周辺のコミュニティ住民や、防災に関わる政府関係者に対して説明する役割を担い、積極的にハザード情報の周知に努め、次の火山災害リスクの軽減に取り組んでいます。

カルラさんは引き続き、担当火山についての観測や研究を継続し、仙台防災枠組2015-2030の優先行動の1番目、「災害リスクの理解」の促進を、政府関係者及び火山周辺のコミュニティ住民に対して着実に進めていく予定です。
BOSAIプロジェクトでは、カルラさんのような女性防災人材の育成支援も積極的に行われています。

作成:伊良部 秀輔(長期専門家)

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火山周辺のコミュニティ住民が、ハザードマップを観察する様子

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防災機関職員等に現場でハザードマップの説明をする帰国研修員(写真右)

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火山周辺のコミュニティで約40名の参加者に対し、火砕流について説明する帰国研修員(写真左)

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火山周辺の市役所職員と防災関連機関職員にハザードマップの説明する帰国研修員(写真左奥)