津波の被害想定に関する最終合同協議が開催され、津波ハザードマップが完成しました

2019年12月2日

2019年11月20日、ニカラグア国家災害管理・防災システム局(CD-SINAPRED)の津波ハザードマップ作成担当者並びに、地震・津波の観測・警報発信を担う技術官庁であるニカラグア国土調査院(INETER)の関係者出席のもと、津波の被害想定に関する最終合同協議が開催され、その結果を基に津波ハザードマップが完成しました。

最終合同協議では、7月より修正作業を続けてきた、地方自治体がコミュニティレベルでの津波ハザードマップ作成を進めていくための作成マニュアルの予稿、津波の被害想定算出に関するマニュアルの予稿、太平洋沿岸域12市の津波ハザードマップ、作成されたコミュニティレベルの津波ハザードマップの修正点などに関して議論が交わされました。
この合同協議の後、CD-SINAPREDと日本人コンサルタント団員により、マニュアルと津波ハザードマップの修正作業が行われ、最終版が完成しました。津波ハザードマップについては、津波緊急対応計画の存在する太平洋沿岸域の12市以外に、新たに津波の影響を受ける可能性がある内陸部や他の太平洋沿岸部4市についても作成することとなり、合計16市の津波ハザードマップが作成されました。コミュニティハザードマップに関しては、主要な太平洋沿岸コミュニティに対して作成されました。

また、パイロット各市における津波による建物・人的被害の算出に関する研修も実施し、被害想定を提示する際の内容や注意点等について説明すると共に、GIS(地理空間情報システム)を用いたデータ処理方法を実習しました。
ニカラグアBOSAIプロジェクトフェーズ2でこれまで収集したパイロット市のサイレンや避難場所の位置情報、作成された津波浸水域のデータは、今後CD-SINAPREDが構築を進めている災害情報GISデータベースにアップロードされる予定です。

BOSAIプロジェクトフェーズ2では、作成された津波ハザードマップが、今後ニカラグアにおいて活用され、それによって住民の津波に対する防災意識や行動力が向上されていくよう、プロジェクト終了まで必要な支援を続けていきます。

作成:黒木 正恵(コンサルタント)

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最終合同協議

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完成した津波ハザードマップと共に記念写真

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GISを用いた被害想定算出研修