防災情報研修の参加者認定証授与式が開催されました

2020年1月8日

2019年10月から2020年1月までの間、グアテマラ国各地において、防災情報研修の参加者認定証授与式が開催されました。参加者認定証の授与式は、グアテマラの首都であるグアテマラ市、パカヤ火山地域にあるサンビセンテパカヤ市、サンティアギート火山地域内のケツァルテナンゴ市、そしてカウンターパート機関(SE-CONRED)の火山防災ユニット職員が常駐するアンティグア・グアテマラ市で行われました。

グアテマラでは、プロジェクト目標を達成するための成果の一つに「防災情報強化」を位置付け、日本人専門家チームの一員である山崎コンサルタントチーム専門家が、2016年から2019年までの3年間、防災情報をテーマとして合計18回の研修を実施してきました。その結果として、プロジェクト対象地域の約40名が最後まで研修を受講し、参加証の授与式を経て防災情報研修が終了しました。
研修の実施方法としてはインターネットの使用による講義が約80%、対面形式の講義が約20%で実施され、2016年下旬の研修開始から2018年上旬までは、山崎コンサルタントチーム専門家が日本とグアテマラの間を、インターネット会議システムを活用してリアルタイムで各回90分間の講義を行いました。

プロジェクト開始時に認識されていた防災情報に関する課題は、大きく挙げて次の2点でした。
1.インターネット上に火山防災情報は豊富にあるが、スペイン語での情報が限られているため、グアテマラの火山防災関係者には基礎的な火山防災情報が届いていない。
2.火山災害の歴史記録が火山防災関係者間に周知されていない、かつ火山災害体験談が記録され、周知されていない。
プロジェクトで焦点を当てる「ソフト防災能力の強化」「防災の体制づくり」の基本として、これらの課題解決に取り組んでいくことが日本人専門家チームとカウンターパート側で確認されたことから、防災研修が始まりました。

研修が終了し、参加者からは「火山周辺に住む住民の災害体験談の収集は、これまでに災害を体験していない地域で、かつリスクのある地域住民への貴重な意識啓発活動材料となる。」「ビデオ編集の視点が体験談に焦点を当てていて、被災者の心理的影響なども理解することができた。」など、研修の中でも特に住民の災害体験談とその周知に関して好意的なコメントが多く聞かれました。なお研修全体を通じて、受講者には講義で使用する火山防災関連のスペイン語資料が配布されています。

防災情報研修の活動は、仙台防災枠組2015-2030の優先行動の一つ「災害リスクの理解」の促進に大きく沿った取り組みとなりました。
プロジェクトでは、2020年6月のプロジェクト終了までに、研修を受講した参加者が進める今後の取り組みを支援していく予定です。

作成:伊良部 秀輔(長期専門家)

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配布された研修資料の一部

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11名が参加したアンティグア・グアテマラ市での参加証授与式の様子

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参加証を授与する様子。写真左から、山崎コンサルタントチーム専門家、帰国研修員のMario Ovalle火山防災ユニット職員

【画像】アンティグア・グアテマラ市での受講者集合写真。帰国研修員4名も約3年間の研修を受講した。