防災教育ビデオ作成のための基礎研修が開催されました

2020年1月9日

2020年1月9日、一般向けの防災教育ビデオ作成のための基礎研修が、カウンターパート機関(SE-CONRED)内のソーシャルコミュニケーション部職員を対象に実施されました。
研修は日本人専門家チームの山崎コンサルタントチーム専門家が実施し、6名の参加者が防災教育ビデオ作成の基礎を学びました。

日本では「災害は忘れたころにやってくる」ということわざが広く知られているように、住民や防災関係者の災害体験の記録と、その周知が防災意識啓発を通じた防災活動の基礎となっています。また近年では、災害関連の情報発信内容は、次の災害への対策の教訓となるものや対策の際のポイントとなる学び等にも触れられ、「対策を促す防災情報の発信」が取り組まれています。

しかしながら、グアテマラでは災害の体験は語り継がれる場もなく、記録への取り組みもありませんでした。また、これまでに作成された防災関連の視聴覚素材の多くは、災害の悲劇を伝える視点や一般的な助言の繰り返し等に重点が置かれ、災害に関する情報発信の中で一般の視聴者が教訓となり、学びとなる視点が欠けています。

このため、プロジェクトではグアテマラの防災能力強化のために、上記の日本の考え方を移転する取り組みを行っています。今回その取り組みの一環として、全国的に防災関連情報を発信する主体であるグアテマラ防災機関のソーシャルコミュニケーション部の職員に対して研修を実施しました。研修の中での演習で、受講者はプロジェクトを通じて収録された住民の災害体験記録ビデオを防災教育教材として編集する作業を行い、作成工程を学びました。

今回参加した受講生は、グアテマラ全国に防災情報を日常的に発信する業務を担っています。今後の業務の中で、今回の研修内容が反映された防災情報を作成し、更に一般に広く防災情報が届く取り組みを行っていくことが期待されます。

今回の研修は、仙台防災枠組2015-2030の優先行動の一つ「災害リスクの理解」の促進に沿った取り組みとして実施されました。
プロジェクトでは、2020年6月のプロジェクト終了までに、研修を受講した参加者が進める今後の取り組みを支援していく予定です。

作成:伊良部 秀輔(長期専門家)

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パカヤ火山噴火の記録に関する情報源及び検索方法について講義する様子

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防災情報の教材としての考え方について講義する山崎コンサルタントチーム専門家(写真左)

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プロジェクトを通じて収録された住民の災害体験記録ビデオを防災教育教材という観点から編集作業を行った

【画像】受講者の集合写真