ラ・セイバ市防災委員会に対し、ファシリテーター向け教材説明会を開催しました

2020年3月3日

2020年3月3日、ラ・セイバ市防災委員会(CODEM)職員と、本プロジェクトで実施してきた活動を振り返るとともに、今後CODEM職員が主体となってコミュニティ防災研修を行う際に活用できるツールとして、日本人専門家が使用した教材及び研修カリキュラムに関する概要説明を行いました。

ホンジュラスにおけるBOSAIプロジェクト・フェーズ2では、首都テグシガルパ市、及びカリブ海沿岸にある第三の都市ラ・セイバ市をパイロットサイトとして活動しています。
ラ・セイバ市では、本プロジェクトを通じて、コミュニティ防災委員会(CODEL)を組織化する取り組みを継続的に支援してきました。具体的には、2018年からCODEM職員、緊急事態対策常設委員会(COPECO)職員とともに、コミュニティ住民に対して、コミュニティマップ作成や雨量測定演習、水位計設置、土のう演習、避難訓練などの活動を行ってきました。また、2019年9月に実施したコスタリカでの経験交流会には、ラ・セイバ市からはCODEM職員1名とCODELメンバー2名が参加しました。

今回の説明会では、研修モジュールの概要説明及び今後の活用に当たり意見交換を行いました。研修モジュールは、1)コミュニティ防災の考え方、2)風水害の基礎知識、3)リスク管理の考え方と防災計画、4)コミュニティ防災の実施プロセス、5)コミュニティ防災計画策定、の5つのテーマから構成されており、最終的にはコミュニティ住民が洪水等の風水害に対して自主避難ができるようになることを目指しています。
また、本教材では「コミュニティとの信頼関係の醸成」に関しても取り扱っています。ファシリテーターにとって重要なのは技術面もそうですが、より大切なのは防災への熱意です。「顔の見える関係を少しずつ築き上げ、住民の参加意欲を高める」といったファシリテーション技術は、経験の蓄積と熱意によるところが大きく、本教材ではこの点を強調しています。

プロジェクトでは、実施期間も残りわずかとなってきたことから、具体的な成果物をホンジュラスのカウンターパート側に引き渡す作業を行っています。
今後は、CODEM職員がファシリテーターとして活動をするなかで、今回引き渡した教材を「日本式」から「ホンジュラス式」に修正し、より現地に合ったものにしていって欲しいと望んでいます。

作成:小野寺 純(研修分野専門家)、文責:杉本 要(長期専門家)

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CODEM職員と日本人専門家で活発な意見交換が行われた

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内水氾濫のメカニズムに関する教材について説明する様子