パナマにて最後の国別JCCが開催されました

2020年3月4日

2020年3月4日、パナマ市内にて本プロジェクトにおけるパナマでの最後の国別JCCが開催されました。パナマ国家市民保護システム(SINAPROC)長官出席のもと、SINAPROC本部、地方事務所、JICAパナマ事務所、チェポ市役所の防災担当、チェポ市ラスマルガリータスのコミュニティ防災組織メンバー、バヤノ湖ダム管理会社(AES)、中米防災センター事務局(SE-CEPREDENAC)、またオブザーバーとして国連防災機関(UNDRR)、経済財務省、赤十字パナマから約40名が参加し、JCCは大盛況の内に目的を達成し、終了することができました。

5回目となる今回のJCCは、最後の国別JCCとして、プロジェクト側からこれまでのプロジェクト活動の内容、進捗、達成度合、成果品についての発表を行うと共に、本プロジェクトのパイロットサイトであるチェポ市とチェポ市ラスマルガリータスのコミュニティの代表者から、本プロジェクトを通して行なった防災への取り組みについて紹介されました。

コミュニティレベルでの防災組織や活動がなかったパナマにおいて、コミュニティに自主防災組織が結成され、住民自らの手によって防災計画を作成し、計画に基づいた防災活動を実践してきたことは新しい試みであり、かつ、大きな達成であるため、ラスマルガリータスの活動の説明を聞いた参加者からも大きな反響がありました。
また、市レベルでは今後コミュニティでの防災活動をサポートしていけるようチェポ市総合防災計画を作成しています。市とコミュニティの連携の道筋ができたことも大きな成果であり、参加者からも今後の全国の普及展開に期待が寄せられました。

今回の国別JCCのトピックの一番の核心は、SINAPROCのコミュニティ防災普及計画の発表でした。計画では、全国の災害リスクのあるコミュニティにコミュニティ防災組織を結成していくため、SINAPROC本部を中心にターゲットコミュニティを選定し、プロジェクトで実施してきたファシリテーター研修を定期的に行い、育成されたファシリテーターがコミュニティ防災活動のサポートを行う、という内容となっています。SINAPROC長官もこの普及計画の推進に大いに意欲的であり、プロジェクトで構築した実施体制のもと、2020年6月にプロジェクトが終了した後も、コミュニティ防災のより一層の発展が期待されます。

プロジェクトでは、SINAPROC本部の組織強化と研修を実施し、認定されたファシリテーターが開始しているコミュニティ防災活動を中心にフォローアップを行い、コミュニティ防災普及計画がスムーズに施行されていくよう、プロジェクト終了時まで支援を継続していきます。

作成:竹林 あゆ美(長期専門家)、佐々木 新(コンサルタント)、黒木 正恵(コンサルタント)

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これまでの活動について発表するコミュニティ自主防災組織メンバー

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コミュニティ防災普及計画について発表するプロジェクトマネージャー

【画像】第5回パナマ国別JCC参加者の集合写真