生活習慣病データ分析研修

2016年8月10日

プロジェクトの実施協力機関である国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)において、生活習慣病データ分析研修が2016年7月1日から8月4日に実施され、カウンターパートである保健医療サービス省のリサーチ・オフィサー1名が受講しました。

本研修は、過去に実施された2つの調査(注1)のデータを集計、分析することを主な目的とし、NIBIOHNと、もう1つの実施協力機関である国立保健医療科学院(NIPH)の研究者らによる丁寧な指導の下、研修受講者は、データ分析、集計、報告書の作成を行いました。

研修最終日には、NIBIOHNの研究者が見守る中、受講者は研修を通して実施した調査の分析結果をJICA東京にて発表しました。この席で、受講者は「効果的な生活習慣病(Non-Communicable Disease;NCD)対策策定のために必要な根拠が限られているフィジーの現状を考えると、今回の研修を通して行った分析結果は非常に重要であり、これを効果的な介入策につなげることで自国のNCD対策に貢献できることは大変嬉しく思います。」と研修の感想を述べています。

また、「根拠に基づいたNCD対策の実施」を掲げる本プロジェクトにとっても、この研修は今後のプロジェクト活動における一つの大きな布石となりました。この分析結果を活かし、プロジェクトではハイリスク患者への効果的なカウンセリング強化であるClient Centred Councelling(CCC)と、定期的に腹囲を測り、家族単位で食事や運動などに対する意識変革に繋げるFamily Caresの2つを介入策として、10月からパイロットサイトでの介入策が実施される予定です。

(注1)
1)住民の生活習慣に関する調査:2016年2月から5月にかけて、フィジー国内の2地区(バウレブとナフィールド)において約1000名に対して実施。
2)医療従事者の業務運営能力の状況を把握するための調査:2016年6月に、ヘルスセンターやナーシングステーション等の保健関連施設に勤務するスタッフ(主に看護師と栄養士)約200名に対して実施。

【画像】

JICA東京にて研修最終日に実施された報告会の様子(左からJICA東京研修担当者2名、研修受講者、NIBIOHNの研究者)

【画像】

修了書授与式の様子(左から研修受講者、JICA東京研修担当者)