第4回Joint Coordination Committee(JCC:合同調整委員会)会議の開催(フィジー)

2019年6月24日

2019年6月24日に第4回JCC会議を開催しました。JCC会議はプロジェクトに関わる主要関係者が一同に集い、プロジェクトに関わる事項を協議・決定する重要な場です。

本会議は、ベナデット・ウェルチ保健医療サービス省(MoHMS)事務次官が司会を務め、総勢39名が参加しました。プロジェクト・デザイン・マトリックス(PDM:プロジェクトの計画・実施・評価の基本となるデザイン)の変更提案に続き、イシメリ・ツカナプロジェクトマネジャーがプロジェクト全体の活動進捗、アコシタ・スカナヴァル中央地区看護部長が看護師主導の活動報告と今後の計画を報告し、協議が行われました(写真1)。

今回の報告の中で特筆すべき成果は、本プロジェクトの柱となっている、動機付け面接(MI: Motivational Interviewing)研修参加者によるNCD対策の現場の変化です。具体的には、NCDハイリスク者を対象にしたウェルネス・クリニックの1つにおいて、行動変容を目的としたカウンセリングに、3回継続して通院する患者の割合が、MI研修の実施前後で50%から74%に増加したことです。食習慣や運動などは1度のカウンセリングで行動変容を起こすことは困難なため、3回のカウンセリングが規定されていましたが、MIを取り入れる前は継続して通院する患者が少なかったのです。また、ウェルネス・クリニックに通ったNCDハイリスク者で、薬物治療なく高血圧や血糖高値が改善されるケースが増加しています。

今後の計画としては、この、既にいくつか立ち上がっているMI研修参加者によるウェルネス・クリニックを、MoHMSのシステムとして標準化することです。つまり、既存のNCD患者フローとの整合性をつけるためにNCDハイリスク者の中でも、どのハイリスク者を対象にするのかといったクライテリアを決定することや、さらに職域やコミュニティとの連携も試みられています。

本会議で提案された内容は全て承認されました。本プロジェクト終了後の持続可能性を見据えた、MoHMSが継続できる実現可能な仕組みづくりについて協議され、参加者全員で今後やるべきことが確認された大変有意義な機会となりました。(写真3)

また、JCC後にはJICA本部、JICAフィジー事務所と共に、プロジェクトサイトの一つであるサマブラヘルスセンターでのウェルネス・クリニックの視察を行いました(写真2)。サマブラヘルスセンターは、職域でのNCD対策の介入も積極的に行っており、本プロジェクトのモデルとなるヘルスセンターの一つです。

本プロジェクトに残された期間は11ヶ月です。発現しはじめている成果をさらに強固なものとし、プロジェクト終了後も持続可能なものとするために、活動を続けます。

【画像】

写真1:JCC会議の様子

【画像】

写真2:サマブラヘルスセンターのウェルネス・クリニックの内容を看護師長が説明

【画像】写真3:JCC会議後の参加者集合写真