(和)内水面養殖普及プロジェクト
(英)Project for the Extension of Inland Aquaculture in Benin
ベナン
2010年3月9日
ベナン国南部7県
2010年6月1日から2014年11月1日
(和)農業・畜産・水産省
(英)Ministere de l'Agriculture, de l'Elevage et de la Peche
ベナン国の年間総漁獲量は約40,000トンであるが、国内の漁獲量だけでは需要を満たすことができないため、年間約45,000トンの水産物が輸入されている。一方、ベナン国の人口は年3.25%の高い割合で増加しており、2014年には1,000万人を超えると予想されている。この人口増加に伴って今後増大する水産物需要に対応するには、総漁獲量の増大が必要であるが、海面漁業資源の漁獲可能量12,000トン(年間)に対して年間漁獲量は8,000〜10,000トンに達しており、その開発には限界がある。また、ベナン国の漁獲量の約80%を生産する内水面漁業は、資源の過開発のために漁獲量が1996年以降、減少または横ばい傾向にある。このように海面・内水面漁業とも今後増産の余地は少ないため、内水面養殖による生産量拡大が必要とされている。しかしながら、2008年に実施された全国養殖センサスによると、ベナン国の養殖家数は931戸、養殖総生産量は159トンであり、未だベナン国においては内水面養殖が極めて限定的にしか実施されていない状況と判断される。
このような状況を踏まえ、ベナン国政府は、我が国に対し内水面養殖振興を目的とした開発調査「内水面養殖振興による村落開発計画調査」を要請した。同調査は2007年4月から2008年3月にかけて実施され、内水面養殖の振興にかかるマスタープラン及びアクションプランが策定された。マスタープランは(1)農村住民の収入の向上と多様化、(1)養殖による魚類生産量の増大を目標とし、内水面養殖振興の方向性として、(1)農民の能力強化、(2)養殖事業費のコストダウン、(3)養殖生産性の向上、(4)技術普及体制の強化、(5)農畜産業との連携を提示しており、これに沿う形で具体的な事業計画として15のアクションプランが策定された。
本プロジェクトは、ベナン国政府の要請を受け、同アクションプランのうち、「農民間研修による養殖普及計画」をベースに、「タンク養殖によるナマズ養殖振興計画」、「池中養殖技術改善計画」、「餌料の改善普及計画」、「ナマズ種苗生産農家育成計画」、「養殖普及教材開発計画」の活動の一部を組み合わせて実施するものである。
プロジェクト対象南部7県において内水面養殖が普及する。
プロジェクト対象市において養殖家戸数が増加する。