モノづくりの工作機械修理のため日本から技術者を招へい

2016年3月10日

農業機械化センターでは、20年以上前に導入した工作機械の多くが、今でも大切に使われています。これらのほとんどは、28年間(1964年から1992年)ブータンの農業発展に大きく貢献した故西岡京治氏(ダショー・ニシオカ)の時代に日本から導入されたものです。しかし、中には故障してしまっている機械もあるため、昨年9月に金型製作の北川専門家が当地を訪れた際、当センターに設置されている工作機械の稼働状態や精度などの確認をしました。基本作動はするものの、正しく動かなくなっている機械の一つに“研磨機”がありました。
金型製作には、金型材料を熱処理(加熱・冷却して硬度を上げること)が欠かせませんが、その熱処理を行うことで金属がゆがむため、製作品のサイズを正確に修正するために研磨機が使われます。当センターの研磨機は、岡本工作機械製作所が1990年に製造したもので、当センターには1992年に設置されたと聞いています。
この研磨機の修理のため、3月7日から10日まで、岡本製作所の技術者が当センターを訪れました。技術者の機械を見た時の第一声は「きれいですね!」。研磨機は毎日使うような機械ではありませんが、20数年たっているとは思えないほど程度が良いことは間違いありません。まず破損している油圧ホース交換の後、オイルを充填して作動確認を行いました。しかし研磨台が正常に動かないため、当センター職員2名と共に油圧系統の分解整備を行いました。さらにその他の箇所も整備・調整をしたところ、動くようになったものの、不具合箇所が3箇所特定されました。一つ目は、研磨台が水平方向には動くが、垂直方向に動かないため、モーターを動かしている制御板の交換が必要なこと。二つ目は長年の使用のせいで油圧モーターから異音が出ていること。三つ目は研磨台の水平方向の位置を示す目盛が正しく表示しないことです。しかしながら、技術者の判定としては、これらを直せばまだしばらくの間使えるようになります、と言うことでした。
残念ながら今回は完全に使える状態にすることはできませんでした。早速次回の技術者派遣の調整を始めているところですが、この機械が寿命になるまでの間に、当センター職員への技術移転や民間企業の育成も視野に入れながら進めていく予定です。

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当センターに設置されている工作機械

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長年使われているプレス機

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研磨機

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研磨機の心臓部である砥石取り付け部と研磨台

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分解整備の様子

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整備後の作動確認