元チーフアドバイザーを招いて、プロジェクト成果の取りまとめ

2018年6月6日

2014年8月に開始した当プロジェクトは、終了まで3か月を切り、大詰めに入っています。今回は、2014年から2年3か月間チーフアドバイザーとして本プロジェクトに従事した高橋専門家を日本から招聘し、農業機械の評価試験と研究開発の分野におけるプロジェクトの成果と達成度の確認を行いました。高橋専門家は、本プロジェクトの前フェーズ(2008年~2011年)の頃からブータンの農業機械センターでの評価試験の仕組みづくりに関わってきており、今回で5回目の訪問となります。

まず農業機械の評価試験では、同専門家が2017年1月まで当地にて本活動に関わったため、それ以降の活動進捗と達成度を確認すべく、カウンターパートからのプレゼンテーションを受けました。2017年初めの頃は、ようやく2~3種類の機械の試験基準や手順ができてきた段階でした。現在は6種類の機械の基準と手順が完成しており、うち3種類は国家標準局の承認を得ています。さらに民間等から受け入れた5つのモデルで試験が実施され、試験検査票の公開も進んでいることが確認されました。試験実施に自信を示す職員がいる一方で、現在作成中の基準の文面を見てみると、適用形式範囲の不明確さや小さな記載ミスが確認されたため、だれが読んでも同じ意味となるように一字一句まで明確に記載することの大切さを改めてカウンターパートに指導しました。

次に研究開発では、3~4機種の試作品が最終段階に入っていて、うちカルダモン乾燥機は既に60台以上が地方に設置されて、技術移転が進んでいることを確認しました。また、農業機械センターからの要望で、耕耘機が斜面を移動する際の重心位置の計算について、講義を行いました。同時に、これまでの研究成果を論文として執筆することへの指導もありました。

最終週には、日本での研修に参加した職員が、日本および今回の高橋専門家から学んだ測定機器に関する講義をセンター職員に対して行うことができました。

今回は13日間と限られた期間でしたが、成果と達成度の確認、残された課題等に関するプロジェクトへの提言に加え、補完的技術的指導まで行うことができました。高橋専門家が整理・取りまとめをした内容は、プロジェクトの完了報告書へ反映させると同時に、技術的な提言については、すぐにでも研究部職員が実践できるように働きかけをしていきます。

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脱穀機の試験状況の確認

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測定機器の使い方の指導

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電力計の使い方の指導

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電力計操作に関する講義