ベースライン調査

2016年3月31日

2016年2月〜3月
本ベースライン調査は、2016年2月22日〜3月18日の間、ローカルコンサルタントに委託して実施しました。

調査項目

1)パイロット3県6地区における地方行政およびユーザーグループの現状
2)コミュニティ参画やユーザーグループ形成に関連する既存のマニュアル、ガイドラインのレビュー
3)地方行政関係者およびユーザーグループの能力強化が必要とされる分野の明確化
4)中央政府/地方行政/コミュニティレベルの関係者間におけるユーザーグループの活動に係る責任や役割の確認

調査項目の内容

1)パイロット3県6地区における地方行政およびユーザーグループの現状:
本調査では、パイロット地区における灌漑、水道、農道のユーザーグループの活動状況、および、県(Dzongkhag)および地区(Gewog)とユーザーグループとの係りにつき、調査を行いました。具体的には、質問票及びインタビューを通じて、県及び地区の行政が担うユーザーグループ活動への支援状況について現状把握を行いました。また、コミュニティレベルでは、各種ユーザーグループの数、活動の内容、会合実施頻度や、コミュニティから県/地区レベルへの情報伝達手段およびその提供頻度、更にはユーザーグループメンバーから集める活動予算の状況、グループ活動実施上の問題点・課題、グループの機能状況、等々について調査しました。
これらの結果は、プロジェクト開始時のベースライン指標として今後活用していくとともに、地方行政への住民関与を促進・強化するための制度・ガイドライン策定の際に役立てていく予定です。

2)コミュニティ参画やユーザーグループ形成に関連する既存のマニュアル、ガイドラインのレビュー:
本調査の趣旨は、農道、灌漑、水道のインフラ開発を担当する各省庁が作成したユーザーグループに関する既存のマニュアル、ガイドラインをレビューすることで、当プロジェクトで今後策定するユーザーグループの活動に係るガイドラインの一助とすることを目的としています。
ローカルコンサルタントは、農業省が既に策定した農道ユーザーグループに係るガイドラインやマニュアル、保健省が開発した水道ユーザーグループに係るマニュアル等をレビューし、提言を打ち出しています。具体的なコンサルタントからの提言の一つは、ガイドラインやマニュアルが地方行政官を対象したような内容、且つ、英語で書かれているため、ユーザーグループメンバーにとっては活用しづらいため、ユーザーグループメンバーが活用できるよう改訂すべきと提言しています。

3)地方行政関係者およびユーザーグループの能力強化が必要とされる分野の明確化:
本プロジェクトの成果の一つである「能力強化」は、ユーザーグループの活性化とオーナーシップを醸成する上で重要となります。ベースライン調査では、質問票やグループディスカッションを通して、地方行政関係者およびユーザーグループに能力強化が必要とされる研修題材・トピックを確認し、洗い出しました。結果を基に、プロジェクトで研修内容の精査/プログラム化を行う予定です。

4)中央政府/地方行政/コミュニティレベルの関係者間におけるユーザーグループの活動に係る責任や役割の確認:
ユーザーグループの活動に係るガイドラインを策定する上で、まずは現在の県−地区−コミュニティ間における役割および責任の所在を把握することが肝要になります。本調査では、各レベルにおけるリンケージを技術面、予算面、(事務)管理面から現況を探り、提言として纏めています。

【画像】

ダガナ県ユーザーグループを対象に意見交換

【画像】

プナカ県ユーザーグループリーダーへのインタビュー

【画像】

モンガル県県職員が質問票に回答する様子