IHPPプロジェクトを開始しました

2016年1月31日

2015年7月の詳細計画策定調査、8月のブータン国民総幸福委員会(GNHC)・農林省(MOAF)とJICA事務所によるプロジェクト実施合意文書(R/D)署名を踏まえ、1月13日に長期専門家3名が赴任し、中西部地域園芸農業振興プロジェクト(IHPP)を開始しました。

このプロジェクトは2010年−2015年にかけてブータン東部で実施された園芸作物振興にかかる技術協力(個別専門家およびプロジェクト)の成果を踏まえ、首都に近く園芸農業のポテンシャルが高いとされながらその振興が遅れている中西部地域における試験研究および種苗生産・普及体制の強化を通じて園芸作物の生産増加を目指すものです。
対象地域はワンデュ・ポダン県、プナカ県、チラン県、ダガナ県の4県で、ワンデュ・ポダン県のバジョ農業研究開発センターおよびチラン県のミトゥン・サブセンターを拠点に活動します。

1月18日にはブータンの伝統に従ってプロジェクト事務所の開所式が行われ、更に2月4日には首都ティンプーにおいて、在ブータン日本大使(駐インド)・ブータン外務大臣を主賓に迎え、多くのブータン・JICA関係者が列席して開始式が催され双方の来賓よりプロジェクトへの熱い期待が述べられました。式典後には日本・ブータン外交樹立30周年記念行事として「ブータンにおける日本の農業支援の歴史展示」が行われ、農業機械化や園芸農業振興協力などを中心に多くの写真や資料が展示されました。
また、3月4日はJICA事務所長のプロジェクト訪問を得て、プロジェクトのロゴマークが紹介されました。

活動の開始に先立ち、プロジェクトチームは対象4県知事・農業普及所長、以前園芸プロジェクトを実施した東部のウェンカル農業研究開発センターを訪問し、プロジェクトの概要を説明するとともに今後の連携・協力を要請。
早速ウェンカルセンターからは掘削機の提供を得て、バジョセンターの圃場・種苗生産のための圃場の造成や堆肥舎・灌漑施設整備に取り掛かり、並行して種苗生産、一部種苗生産農家の育成指導、ベースラインサーベイの準備などを進めています。

【画像】IHPPプロジェクトのロゴ

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JICA専門家(チーフアドバイザー)・RDC Bajoプログラムダイレクターによるプロジェクト事務所開き

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日本大使・ブータン外務大臣を主賓に迎えてのプロジェクト開始式

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日本の農業分野協力の歴史を振り返るパネルに見入る大使・外務大臣他の参列者

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チラン県知事・副知事、農業普及所長への表敬

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JICAブータン事務所長による桃の記念植樹

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前プロジェクトより借用した掘削機による圃場造成

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漏水で長年放置されていた灌漑用貯水槽の補修

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造設した堆肥舎での堆肥造り

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造成された畑に定植された種子用カボチャ苗