カウンターパートと農業普及員のネパール研修(2017年9月)

2017年9月20日

プロジェクトでは対象地域での活動を通じたカウンターパートや農業普及員への技術指導・研修だけではなく、日本や近隣国での先進事例から学ぶ国外研修も行っています。その一環として9月3日〜9日にかけてBajoセンターの研究員1名、対象5県の農業普及員各1名、計6名による第2回目のネパール視察研修を実施しました。

ヒマラヤ山麓の南側、ブータンの西に位置するネパールは、GDPに占める農業割合が約32%と南西アジア諸国中で最も高く(ブータンは約17%)、農業立国とも言えますが、園芸農業分野ではかつて本プロジェクトのチーフアドバイザーが関わったJICA園芸プロジェクトの成果が大きく発現・拡大しています。
小国ブータンに比べて人口約36倍、経済規模約10倍と大きく、国民の勤勉性なども異なりますので、ネパールの成功例をそのままブータンで模倣することは出来ませんが、地勢・気象条件が類似し、南部を中心にネパール系ブータン人も多く居住していることから、本プロジェクトが目指す商業的園芸農業の先進事例として参考になることが多々あります。

研修には日本人専門家は同行しませんが、現地の元JICAプロジェクトのカウンターパートが案内し、カトマンズ近郊、更に東部のシンズリ地方でかつてJICAプロジェクトを実施した園芸農業開発研究センターや周辺の園芸農家・市場を訪問。移動が多く早朝から夕方遅くまでのハードなスケジュールでしたが、参加者はJICAプロジェクト後の園芸農業の発展ぶりを実際に見聞して大きな刺激を受けて帰国しました。
帰国報告会では、ネパールの園芸作物栽培の多様性と規模の大きさ、種苗や生産物の品質の高さ、それを可能にする農家の勤勉さと知識・技術の高さ、民営化された市場や農家組織が運営する柑橘の選果場・ジュース工場などが学ぶべきこととして報告されました。
最後に、JICAの協力から20年近くを経た今でも行く先々でJICA専門家の思い出を何度も聞かされこと。更に、シンズリ地方の関係者から「我々にとって日本・JICAはネパール政府以上の存在です」として預かった感謝のメッセージが紹介され、同じJICA事業に関わる者として現プロジェクト関係者一同も大きな感銘を受けました。

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園芸開発研究所での説明

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キノコセンターで石に生えるキノコに興味津々

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トマトの父と呼ばれる研究者が定年後に営むトマト園

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シンズリの園芸試験場

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シンズリの園芸試験場

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カトマンズ近郊の育苗農家

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親子2代で専門家の指導を受けたシンズリの育苗農家

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シンズリの農民組合が運営する柑橘ジュース加工場

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帰国報告会でのプレゼンテーション

シンズリの農業関係者からの感謝のメッセージ

Thank you JICA(JICAへの感謝)

- For riding & walking all the way from Katmandu to Sindhuli to plant fruit seedlings
(道路が無かった時代に)馬と徒歩でシンズリまで訪れ果樹の苗を植えてくれた

- For transferring your skills & knowledge
知識と技術を伝授してくれた

- For connecting us with the world by one of the best road in the world
(JICAの無償資金協力によるシンズリ道路建設)世界的にも最も素晴らしい道路で我々を世界と結んでくれた

- For quality infrastructures…etc
質の高い設備・インフラを整備、その他

【画像】シンズリの農業関係者からの感謝のメッセージ