2017年6月の活動ダイジェスト

2017年6月30日

プロジェクトダイレクター(DDMチャドル・ワンジ局長)のお言葉

内務文化省・災害管理局(DDM)の役割は、国と地方レベルの災害リスクを管理することや、省庁間の連携を促進することです。本プロジェクトにおいては、DDMのチャドル・ワンジ局長がプロジェクトダイレクターを務め、DDMがプロジェクトメンバー機関の調整を行っています。2017年6月16日、プロジェクトダイレクターとJICA業務調整員との打ち合わせがあり、これまでの活動レビューと次の活動計画について情報交換をしました。チャドル・ワンジ局長は、5月の公式会議(キックオフ会議)の決定事項を速やかに完了させるようプロジェクトメンバーへ命じました。また、プロジェクトダイレクターは広報戦略の重要性を強調し、ブータン一般市民への成果発信、関連する省庁の上層部へプロジェクト活動プロセスを公開するよう、プロジェクトメンバーへ進言しました。ダイレクターの提言を受けたプロジェクトメンバーは、プロジェクト広報キットの作成や今後の活動を公開する計画の準備を開始しました。

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プロジェクトダイレクターとの打ち合わせ

DOCによる模擬建築物の引き倒し実験

内務文化省・文化局 (DOC)には、ブータンの文化遺産を保護する役割があります。 本プロジェクトにおけるDOCの役割のひとつは、地震リスクから伝統的な建築物を守る耐震技術を開発することです。名古屋市立大学や香川大学などと協力しつつ、ブータンにおける伝統的な家のひとつである土でできた版築製模擬体を作り、耐震補強ありと補強なしの模擬体を人為的に引き倒して破壊する、比較実験(パート1)を5月に実施しました。DOCは9月にも、模擬建築物の引き倒し実験パート2を行い、耐震技術開発に必要な新たなデータを収集する予定です。

【画像】版築模擬体の引き倒し実験パート1(2017年5月)

調整機能の強化へ向けたワーキンググループ会合

2017年6月12日、DOCは初めてのワーキンググループ会合をプロジェクト事務局で開催しました。本会合は、ブータン側の各機関の実務者が参加し、プロジェクト関係者間の意思疎通と調整機能の強化を目指して開催されたものです。前月の活動レビューや、今後の活動計画、現在、直面している課題を率直に共有しつつ解決策について話し合いました。

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第1回ワーキンググループ会合、プロジェクト事務局で開催

プロジェクト実施体制の修正

公共事業省・技術支援局(DES)は、公共インフラの計画、設計や建設技術を所掌する政府機関です。DESは本プロジェクトで、伝統建築物に係るガイドライン策定や基準作りにおいて、重要な役割を持っています。しかし、当初のプロジェクト公式文書である議事録(RD 2016年11月版)には、DESの役割が明記されていなかったため、JICAとブータン国民総幸福委員会(GNHC)は、プロジェクト実施体制の修正に合意しました。これにより2017年6月28日以降は、伝統建築物の耐震化ガイドラインに係る活動は、DESがプロジェクトマネージャーとなることになりました。

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RD修正のミニッツに署名するプロジェクトダイレクター