2018年9月の活動ダイジェスト

2018年9月30日

ブータンどんな国-動物編

ブータンを象徴する動物のひとつに、国獣ターキンがいます。牛のような角、カモシカのような顔立ち、ヤギのような長い体毛が生えており、日本人は珍獣と思うかもしれません。ターキンは絶滅危惧種のため、ティンプー市内のターキン保護区という広大な敷地で保護・飼育されており、そこは観光名所になっています。

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自然保護区に放牧されているターキン

地震観測に関するICTセミナー

2018年9月12日から2日間、地震学専門家である京都大学・防災研究所の大見志朗准教授が、地震観測網運用に必要な情報通信技術(ICT)についてのセミナーを、経済省地震鉱山局(DGM)で開催しました。セミナーに参加したDGM実務者は、地震観測システムに使われている基本ソフトウェアの理論やネットワーク知識について学びつつ、実際に稼働中の地震観測点へパソコンで操作しました。偶然にもセミナー中、本物の地震(震度2程度)が発生し、DGMは大見准教授の助言を受けながらコンピュータを使った震源地の補正計算をしつつ公式の地震発生レポートを作成しました。基礎知識を知ること、すぐ行動することの大切さを体験できた貴重な2日間でした。

【画像】大見専門家(右端)の講義を聴くDGM職員5名

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地震発生!大見専門家の助言を得つつ震源地を計算するDGM職員

学会発表と論文発表

2018年9月6日、プロジェクトメンバーが『2018年度日本建築学会大会(東北)学術講演会』で研究成果を6報口頭発表しました。その内1報は、名古屋市立大の博士課程へ留学中のブータン人が発表しました。

発表者と所属先:青木 孝義(名古屋市立大学)
発表タイトル:ブータンにおける組積造建築の耐震化技術に関する研究
その1 プロジェクトの概要と伝統的版築造住宅のモニタリング

発表者と所属先:湯浅 昇(日本大学)
発表タイトル:ブータンにおける組積造建築の耐震化技術に関する研究
その2 版築の材料強度の検討

発表者と所属先:Phuntsho WANGMO(名古屋市立大)
発表タイトル:Study on earthquake resistance technology of composite masonry buildings in Bhutan Part 3:Element tests on reduce-scaled rammed earth walls

発表者と所属先:小西 孝明(香川大学)
発表タイトル:ブータンにおける組積造建築の耐震化技術に関する研究
その4 引き倒し実験の概要と材料実験結果

発表者と所属先:Kshitij C. SHRESTHA(名古屋市立大)
発表タイトル:Study on earthquake resistance technology of composite masonry buildings in Bhutan Part 5:Pull-down tests n real-scale rammed earth house:Test results and discussions

発表者と所属先:宮本 慎宏(香川大学)
発表タイトル:ブータンにおける組積造建築の耐震化技術に関する研究
その6 伝統的版築造建物の常時微動計測

また、名古屋市立大のシュレスタ特任助教が2018年9月11日からペルー・クスコで開催された国際学会に参加し、版築造建物の引き倒し実験結果と補強方法について口頭発表しました。発表内容の論文は、国際学会RILEM(Réunion Internationale des Laboratoires et Experts des Matériaux, systèmes de construction et ouvrages)のブックレットに掲載されました。

論文名:Full-scale pull-down tests on a two-storied rammed earth building with possible strengthening interventions
著者:K. Shrestha, T. Aoki, T. Konishi, M. Miyamoto, J. Zhang, N. Takahashi, N. Yuasa, T. Aramaki and P. Wangmo.
掲載誌:R. Aguilar et al.(Eds.): Structural Analysis of Historical Constructions, RILEM Bookseries 18, pp. 1557-1565, 2019.

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