2021年2月3月の活動ダイジェスト

2021年3月31日

JICA長期研修員(修士号)の中間報告 地震工学コース

2020年9月から1年間、公共事業定住省技術支援局(DES)からのカウンターパートYadav Lal BhattaraiさんがJICA長期研修「地震工学コース」に参加しています。防災行政修士号が政策研究大学院大学から授与される研修です。2月25日にこれまでの研修成果を発表する中間報告会が行われました。Yadavさんは伝統的な石積住宅への耐震技術の導入とその普及についてのこれまでの活動と、これからの個別研究での展望を発表しました。建築研究所国際地震工学センターで主に行われてきた集団講義のプログラムから、今後は個々の研究課題「石積造建物の耐震化(有限要素法解析を用いた耐震バンドの横力への抵抗効果)」に向けたものになります。香川大学(本プロジェクトの研究機関)での社会実装に関する研修も予定されています。この研修から学んだ知見がブータンに適した耐震補強指針の普及・社会実装することに寄与することが期待されます。

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発表するMr. Yadav(写真提供:Mr. Yadav)

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Mr. Yadavの発表資料の一部(資料提供:Mr. Yadav)

JICA長期研修員(修士号)の中間報告 地震学コース

2020年9月から1年間、経済省地質鉱山局(DGM)からのカウンターパートNityam NepalさんがJICA長期研修「地震学コース」に参加しています。防災行政修士号が政策研究大学院大学から授与される研修です。3月12日に研修の中間報告会が行われ(リモート形式)、これからの個別研究「地盤の微動探査」を行う上で参考になる既存文献の事例を紹介し、自らが行う研究の展望を発表しました。建築研究所国際地震工学センターで行われてきた集団講義プログラムは、これから指導教官の元、より個々の研究課題に特化したものになります。この研修から学んだ知見がブータンに戻ってマイクロゾーネイションの実用化と高度化に役立ち、ハザードマップの作成と更新につながることが期待されています。

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Zoom発表するMs. Nityam(写真提供:林田主任研究員(IISEE)、資料提供:Ms. Nityam)

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Zoom発表するMs. Nityam(写真提供:林田主任研究員(IISEE)、資料提供:Ms. Nityam)

文科省国費留学生 名古屋市立大学(博士後期課程)の学位記取得

2017年から、名古屋市立大大学院芸術工学研究科博士後期課程にカウンターパート(内務文化省文化局:DOC)のPhuntsho Wangmoさんが文部科学省国費留学生(SATREPS枠)で履修しています。この度、所定の単位を修得し、学位論文の審査及び最終試験に合格し、学位記の授与を受けました。3月24日の授与式では博士後期課程の代表として学長から学位記を授与されました。Phuntshoさんの博士論文は「ブータンの複合組積造建築物の耐震技術の開発」でした。学会への論文提出、ジャーナルでの論文掲載が予定されています。

帰国後は、「振動台実験」と「実大試験体(石積造と版築造)を用いた実験」が予定されています。将来的には、ブータン伝統建築研究所が設立され、供与された機材(反力壁、振動台)を用いた継続的な耐震技術の更新とその普及を担う人材育成が計画されています。日本で学んだ知見が、そこでも発揮されることが期待されます。

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学位発表するMs. Phuntsho(写真提供:青木教授(名市大)

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学位授与を受けるMs. Phuntsho(写真提供:青木教授(名市大)