モスタル市・クラグイェヴァツ市スポーツ交流(続編)

2017年8月26日

プロジェクトのカウンターパートであるモスタル市スポーツ協会(以下、スポーツ協会)が7年前から取り組んでいる『モスタル市・クラグイェヴァツ市(セルビア)のスポーツ交流』は、5月にはモスタルの中高生がクラグイェヴァツを訪れ、同様に8月にはクラグイェヴァツからモスタルにやってくるということを以前のニュースでお伝えしました(注)。プロジェクトでは、5月にクラグイェヴァツ訪問に同行し、彼らとワークショップ等を通して交流をしましたが、8月にもまた、このモスタルでクラグイェヴァツからの友人たちを迎えるためのお手伝いをすることにしました。

今回も両市から、サッカーとバスケットボールチームの男子(13歳〜14歳)、バスケットボールチームの女子(16歳〜18歳)80名が参加し、クラグイェヴァッツの子どもたちはモスタルのホストファミリーの家にホームステイをしながら、練習試合やアクティビティに参加し、それぞれのホストファミリーと一緒にモスタルの街の名所を訪れたりして、異文化を体験しました。

スポーツ協会はこれまで、サッカーやバスケットボール等の特定種目の練習試合を通してスポーツ交流をしてきましたが、今回は新しい取り組みとして、種目を超えてみんなで楽しむことができる『UNDOKAI』をプロジェクトが提案しました。イベントに参加した子どもたちは、普段それぞれの種目のクラブに所属し、自分自身の技術の向上や、チームが勝つために日々練習を積んでいます。そういった中で生まれるチームメイトとの絆や心の成長もとても大切ですが、プロジェクトとしては、特定の種目ではなく、みんなが心から楽しめて、専門種目が違う仲間とも交流ができるアクティビティを提供したいと思い、UNODKAIを提案しました。

種目は『二人三脚』『障害物競争』『リレー』『綱引き』の4種目で、白組と黄色組に分かれることにしました。チームはモスタルとクラグイェヴァッツ混合で、専門種目もバラバラになるように決めました。

UNDOKAIは、我々日本人にとっては、どの種目も馴染みがあり、それほど珍しいものではありませんが、ほとんどの参加者が経験したことのない種目です。最初は、それぞれの種目を子どもたちが楽しんでくれるかどうか心配でしたが、競技が始まると、子どもたちは楽しみながらも真剣に競技に取り組み、自分たちのチームが勝つために、協力したり、仲間を応援し合ったりする姿が見られました。何よりも子どもたちの笑顔と笑い声が随所に見られ、UNDOKAIは予想以上に成功に終わりました。

イベント終了後、参加者にアンケートを記入してもらい、彼らの率直な感想を聞くことができました。参加した子どもたちにとって、このイベントを通して大切なことは何かという問いに対して、『お互いの交流が最も大切』と答えた人が80%以上でした。また、5月のイベントで出会ってから、これまでにどのくらいお互いに連絡を取り合っていたかという質問に対しては、『時々連絡をとっていた』『頻繁に連絡を取っていた』という人が70%以上いました。この結果からも、こういったイベントの機会を通して出会った友達との交流は彼らにとって新しい友情を育てるきっかけとなっていることがわかります。

イベント全体を通しての感想は、『新しい友達を作り、知らない町を訪れ、大好きなスポーツを共に楽しむことができたこの旅は、これから先の人生でいつも思い出す美しい思い出です』『このようなイベントが年に2回だけではなく、もっとたくさんあったらよいと思うし、ずっと長く続いて欲しいと思います』『人生で最高の経験』といった声が聞かれました。

UNDOKAIについても8割以上の人が、『また機会があれば参加してみたいと思う』と答えており、その理由は『ゲームは面白かったし、チームとしてプレーして競争力を分かち合うことで、互いをより良く知るチャンスとなったから』『チームの仲間と共に、チームワークのスキルを示すことができたから』『この機会に新たな友達ができたから』ということでした。これまでの種目によるスポーツ交流だけでは、交流することができなかった友達とも新たな友情が芽生えたようです。

スポーツをきっかけにたくさんの人と出会い、彼らの経験や人生そのものが豊かになること、そして、その経験が明るい未来を創る希望となること、それがスポーツ協会の願いでもあり、我々プロジェクトの願いでもあります。

来年はどんな友情と笑顔が生まれるのか、今から楽しみです。

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二人三脚の様子

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障害物競走の様子

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綱引きの様子

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チームワーク

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友情

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笑顔

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仲間

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アンケートタイム