プロジェクト活動

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本プロジェクトは、上位目標、プロジェクト目標の双方に掲げられている「3民族の教育関係者が協働で行なうシステム」を確立することを大きな目的としております。具体的には、日本の「情報」科目の教科書を現地化し、当地のカリキュラムに適合するように3民族の教育関係者が協働で行なう機会をパイロット校での授業実施を通して実施すると共に、パイロット校での実績を元にしてカリキュラムの公式認可を得ることを通して協働で行なうシステムを定着させるという、大きな2つの活動を行なっております。

プロジェクトの難しいところ

内戦の終結を実現したデイトン合意から数えて、もうすぐ15年と向かえつつあり、Sarajevo(サラエボ)の街は1984年の冬季オリンピックを開催した当時の美しさを取り戻そうと懸命です。夏になればMostar(モスタル)のStari Most(スタリ・モスト)は多くの観光客があふれ、森と都市が一体化したBanja Luka(バニャルカ)の街は美しく、Livno(リブノ)は高原の避暑地のような装いを見せてくれます。しかし、戦火の間を当地で生き抜いた人たちが当時のことを話すとき、その目に涙を浮かべる姿を見ると、まだ心の傷は癒えてないのだということが胸に突き刺さります。そのような中、如何にして3民族それぞれの民族的感情・自尊心に配慮し、宗教的立場を尊重しながら進めていくかという点が難しいところです。

※エンティティは「構成体」と日本語訳されておりますが、中国の1国2制度の「制度」によく似ており、当国では、Federacije Bosne i Hercegovine「ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦」とRepublikaSrpska「スルプスカ共和国」が存在します。

※カントンとは日本国における県のような行政区です。カントン7は、正式にはHercegovačko-Neretvanski Kantonと言い、カントン10は、正式名もほぼ同じの Kanton 10です。