プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)道路維持管理能力向上プロジェクト
(英)The Project for Capacity Development on Road Maintenance in Burkina Faso
(仏)Projet de développement de la capacité pour l’entretien routier au Burkina Faso

対象国名

ブルキナファソ

署名日(実施合意)

2021年3月9日

協力期間

2021年3月9日から2024年2月29日まで

相手国機関名

(和)インフラ省
(英)Ministry of Infrastructure and Opening-up (MID)

背景

ブルキナファソ(以下「ブ」国)は、周辺を6カ国(沿岸国:コートジボワール、ガーナ、トーゴ、ベナン、内陸国:ニジェール、マリ)と国境を接する内陸国である。首都ワガドゥグは、西アフリカ経済通貨同盟(以下、UEMOA)の本部を擁し、上記周辺国を繋ぐ物流の結節点として重要な機能を担っている。近年、「ブ」国経済は輸出を中心として堅調な成長を遂げ、これら輸出入の80%以上を支える道路網の維持・整備は、同国及び周辺地域の最優先開発課題の一つである。「ブ」国は国家社会経済開発計画2016-2020(以下、PNDES)にて輸送交通インフラの整備とその維持管理を持続的な経済発展に向けた重要な取組みとして位置付け、同基軸の戦略的目標に経済構造改革を促進するために強靭で質の高いインフラ開発推進を掲げている。PNDESの実施において、インフラ省(Ministère des infrastructures et du désenclavement、以下MoI)が実現すべき道路維持管理に関する目標は、“経済活動を支える国際回廊等の主要路線を含む道路網を全季節通じて通行が可能なように、適正な状態に維持すること”である。しかし、「ブ」国においては、2014~2016年並びに2019年の治安悪化や社会経済混乱の影響も受け道路維持管理への十分な予算配分がなされなかったため、国際回廊等の主要路線を含む道路網の維持管理作業が十分に実施されず、損傷が目立つ状態であった。このため「ブ」国政府は2016年以降公共投資プログラムを通じて、道路維持管理の年度予算を増額させるべく努力をしているが、道路維持管理計画の策定能力不足のため、定期的かつ一貫性のある予算確保ができておらず、効率的な維持管理作業もなされないため、未だ国際回廊含む主要路線の補修作業が必要な状況となっている。また、国際回廊の結節点となるワガドゥグ市とその近郊においては、日交通量約1.4万台で大型貨物車両の交通集中もあり、道路損傷への影響が大きくなっている。本課題への対応のためアスファルト(以下、As)道路の維持管理実施体制の構築及び同管理技術の改善が急務であることから、「ブ」政府は2019年8月に日本政府へ当該分野の技術協力プロジェクト実施を要請した。

目標

上位目標

中心部(首都ワガドゥグおよびその近郊)におけるAs道路の維持管理サイクルが定着する。

プロジェクト目標

プロジェクトサイト(ワガドゥグ市及びその近郊)におけるDGERのAs舗装道路の維持管理能力が強化される。

成果

成果1.DGERにおいてAs道路の維持管理サイクルが確立し、プロジェクトサイトにおける役割と責任が明確化される。
成果2.道路維持管理に関する技術ガイドラインが策定される。
成果3.DGERの技術職員のプロジェクトサイトにおけるAs道路維持管理能力と知識が向上する。
成果4.DGER直轄の道路維持管理作業班の構築に関する提案が作成される。

活動

活動1

1-1.プロジェクトサイトにおけるDGERの現状のAs舗装道路維持管理工程や役割、職責を評価し、課題を分析する。
1-2.プロジェクトサイトにおけるDGERのAs舗装道路維持管理工程や役割、職責を特定する。
1-3.プロジェクトの対象となる道路網を定義付けする。
1-4.道路網の複数箇所において交通量調査を行う。
1-5.プロジェクトサイトにおけるDGERの2022年度道路維持管理計画を改善する。
1-6.プロジェクトサイトにおけるDGERのAs舗装道路維持管理に必要な2023年度予算を精緻に編成し、予算要求を進める。

活動2

2-1.プロジェクトサイトにおけるDGERの現状のAs舗装道路維持管理を評価し、課題を分析する。
2-2.As舗装道路維持管理についての既存のマニュアル及び技術ガイドラインを収集し、評価する。
2-3.As舗装道路維持管理についての技術ガイドライン改善のための作業班を構築する。
2-4.As舗装道路維持管理技術ガイドラインを改善し、起草する。
2-5.技術ガイドライン案及びマニュアル案の内容を複数回のミーティングによって説明、議論し改訂する。
2-6.起草、改訂された技術技ガイドラインに従ってAs舗装道路を点検し、その過程と結果を評価する。
2-7.As舗装道路調点検の結果を集積し、データベースを改善する。
2-8.起草、改訂された技術ガイドラインに従ってAP道路維持管理及びAs舗装道路補修を行い、その過程と結果を評価する。 
2-9.技術ガイドラインの作成を完了する。
2-10.関連組織に最終版技術ガイドラインを説明、共有するためのセミナー及びワークショップを開催する。
2-11.完成版技術ガイドラインを国の規則として正式に承認するための手続きを整える。

活動3

3-1.As舗装道路点検及び補修についての研修計画を策定する。
3-1-1.As舗装道路の点検及び補修についての研修を実施するための作業班を構築する。
3-1-2.As舗装道路の点検及び補修についての研修を計画する。
3-1-3.点検及び補修についての研修を実施するための候補地を選定する。
3-2.As舗装道路の点検についての研修を実施する。
3-2-1.研修参加者のAs舗装道路に関する技術及び知識についてのベースライン調査を実施する。
3-2-2.As舗装道路の点検についての講義を行う。
3-2-3.研修参加者のAs舗装道路点検に関する技術及び知識についてのエンドライン調査を実施する。
3-2-4.研修参加者によって起草された技術ガイドラインの実施を通じてAs舗装道路の点検を行い、ガイドラインを改訂する過程と結果を評価する。
3-3.As舗装道路の補修についての研修を実施する。
3-3-1.研修参加者のAs舗装道路に関する技術及び知識についてのベースライン調査を実施する。
3-3-2.As舗装道路の点検についての講義を行う。
3-3-3.研修参加者のAs舗装道路点検に関する技術及び知識についてのエンドライン調査を実施する。
3-3-4.研修参加者によって起草された技術ガイドラインの実施を通じてAs舗装道路の点検を行い、ガイドラインを改訂する過程と結果を評価する。

活動4

4-1.直営道路維持管理ユニット設立の妥当性を確認する。
4-2.直営道路維持管理ユニットの最適な役割、職責及び作業工程を特定する。
4-3.直営道路維持管理ユニットの設立手順を確定する。
4-4.直営道路維持管理ユニットの活動に必要な機材を確認、提案する。
4-5.直営道路維持管理ユニットの機材を操作する技術者研修方法を提案する。
4-6.活動4-1~4-5を含めた直営道路維持管理ユニット形成のプロポーザルを提出する。

投入

日本側投入

1.専門家派遣
・業務主任者/道路維持管理計画I
・副総括/道路維持管理計画II
・道路点検
・道路点検(データベース)
・舗装補修
・舗装補修(施工管理)
・モニタリング・評価分析I
・モニタリング・評価分析II・広報・業務調整
・研修計画
・必要であればその他専門家

2.本邦研修又は第三国研修
・2回(年1回)

3.活動に必要な機材、機器

4.JICA専門家活動関係費

5.CTOS開催関係費

相手国側投入

1.カウンターパート
・プロジェクトダイレクター
・プロジェクトマネージャー
・プロジェクトスタッフ

2.対象州におけるプロジェクト執務室

3.基本的な事務設備及びプロジェクト実行のための機材

4.プロジェクト実施に必要な現地カウンターパートのための予算(例:パイロットプロジェクト費用、カウンターパートの公務関係費用)

5.プロジェクトに必要なデータ及び情報

6.JICA専門家のプロジェクトサイトクトサイト立入許可

7.必要であればJICA専門家の身分証

8.既存の維持管理のための機材、機器